がん医療の均てん化に資するがん診療連携拠点病院の機能強化に関する研究

文献情報

文献番号
200824030A
報告書区分
総括
研究課題名
がん医療の均てん化に資するがん診療連携拠点病院の機能強化に関する研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-003
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 抱一(国立がんセンター がん対策情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 女屋 博昭(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 高橋 正秀(国立がんセンター 中央病院)
  • 小野 裕之(静岡県立静岡がんセンター)
  • 松野 吉宏(国立病院機構北海道がんセンター)
  • 蔦 幸治(国立がんセンター 中央病院)
  • 石倉 聡(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 荻野 尚(国立がんセンター 東病院)
  • 加藤 健(国立がんセンター 中央病院)
  • 山本 信之(静岡県立静岡がんセンター)
  • 清水 千佳子(国立がんセンター 中央病院)
  • 福田 治彦(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 門田 和気(東京北社会保険病院)
  • 佐伯 俊成(広島大学病院)
  • 大松 重宏(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 三原 華子(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 鈴木 健司(順天堂大学)
  • 山本 聖一郎(国立がんセンター 中央病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
14,829,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん患者が等しく適切ながん医療を受けるためには、診療の質の施設間差を是正し、標準化する必要がある。本研究の目的は、特に診療施設間差の目立つ診療分野について、がん診療連携拠点病院の診療機能を支援・強化し、がん医療の均てん化を推進するための医療体制を整備することである。
研究方法
標準化の必要性が高い診療分野として病理診断、放射線画像診断、Interventional Radiology (IVR)、消化管内視鏡診断・治療、放射線治療、抗がん剤治療(外来通院治療を含む)、緩和ケア、臨床試験、相談支援センター機能を取り上げ、拠点病院の整備指針ならびに推薦指定様式(以下、様式)から関連項目を抽出し、それらを米国外科学会の「Commission on Cancer(CoC)」のがんプログラム認定規準(以下、CoC)と対比し、拠点病院整備指針および推薦様式に対する改善案を検討した。今年度より外科手術の要件の検討も加え、かつ今年度改訂された様式について改めて検討を加えた。
結果と考察
集学的治療の適切な実施には適切な診断が不可欠であり、キャンサーボードへの画像診断医、病理専門医、内視鏡専門医の参加が必要である。
放射線治療については、都道府県がん診療連携拠点病院における人員配置の要件の適正化が必要と思われる。
薬物療法専門医や専門看護師、専門薬剤師はまだ絶対数が不足しており、国立がんセンター・都道府県拠点・地域拠点の連携により教育体制を整備していく必要がある。外来化学療法の体制整備が望まれているが、現行の保険点数体系では外来化学療法の収支は赤字となる試算があり、保険点数体系の見直しが必要であると思われた。
外科手術の体制整備も均てん化における重要課題であり、予後と併せて術後死亡率(術後30日以内の死亡または在院死)を指標とすることが適切と思われる。また、緊急止血処置等のoncology emergencyへの対応、内視鏡を介した医原性感染の管理のための人員の確保を指定要件に加える必要がある。
今後はがん診療連携拠点病院からの報告内容の集計結果も踏まえて、推薦様式のさらなる改善を検討していく必要があると思われる。
結論
昨年度の本研究班の提案により、今年度のがん診療連携拠点病院の推薦様式およびその調査項目は昨年度に比して改善したと思われる。本報告により、さらなる改善がなされることを期待したい。

公開日・更新日

公開日
2009-04-08
更新日
-