文献情報
文献番号
200824008A
報告書区分
総括
研究課題名
乳癌診療におけるグローバルスタンダードの導入と質的評価検討に関する研究
課題番号
H18-がん臨床・一般-008
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
中村 清吾(NPO法人日本乳がん情報ネットワーク)
研究分担者(所属機関)
- 黒井克昌(都立駒込病院臨床試験科)
- 大野真司(九州がんセンター乳腺科)
- 岩田広治(愛知県がんセンター乳腺科)
- 秋山太(癌研究会癌研究所病理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
15,031,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
米国NCCNと連携し、標準治療を実践する上で根幹をなす乳癌診療ガイドラインの策定方法、内容、アウトカムの分析手法を日米欧間で比較検討し、世界の標準治療を遅滞なく日本に導入するための一助となるシステムを構築することを目的とした。
研究方法
日米ガイドラインを基にした乳癌治療に関する検討の総括篇として日米双方のガイドライン作成に携わった医師と相対し、直接比較討論を行い、それを公開した。NCCNガイドラインの紹介を行った。乳癌診療ガイドラインの普及状況につき、厚生労働省指定がん診療拠点病院と日本乳癌学会認定施設等を中心に、病院・施設に送付してアンケート調査を実施した。
結果と考察
WEBサイトのアクセス件数に見られる如く、邦訳のNCCN診療ガイドラインをWEBサイトに登録したことにより、世界の標準治療の動向が遅滞なく我が国にも伝えられるようになった。 過去3年間の研究成果として、日本の乳癌診療ガイドラインにおける問題点である①改訂の頻度 ②コンセンサスの取り方 ③未承認薬、医療機器等 ④保険制度の違い等が明らかとなったが、今後も引き続き定期的な意見交換を行い、根幹を共有することで、共通の尺度で医療の質を評価し向上させることに寄与するシステムの構築を継続していく計画である。また本研究により、標準治療を実践する上で根幹をなす乳癌診療ガイドラインの策定方法、内容、アウトカムの分析手法における日米間の相違が明確化し、世界の標準治療を遅滞なく日本に導入するための課題が明らかとなった。
結論
この成果およびNCCNガイドライン日本語版はWEBサイトにて公開されており、医療関係者のみならず、患者やその家族等の利用も可能となっている。人種差や保険制度の違いを勘案しつつ、乳がん診療の根幹を共有することで共通の尺度で医療の質を評価し向上させることに寄与することが今後も期待できる。
公開日・更新日
公開日
2009-05-14
更新日
-