文献情報
文献番号
200824004A
報告書区分
総括
研究課題名
在宅医の早期参加による在宅緩和医療推進に関する研究
課題番号
H18-がん臨床・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
江口 研二(帝京大学 医学部内科講座)
研究分担者(所属機関)
- 蘆野 吉和(十和田市立中央病院 緩和ケア、乳腺外科)
- 川越 正平(あおぞら診療所)
- 小林 一彦(JR東京総合病院 血液内科)
- 佐藤 智(八戸市立市民病院 緩和医療科)
- 谷水 正人(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 統括診療部)
- 中川 恵一(東京大学医学部附属病院 放射線科)
- 兵頭 一之介(国立大学法人筑波大学大学院 人間総合科学研究科)
- 福地 智巴(静岡県立がんセンター 疾病管理センター)
- 山口 拓洋(東京大学医学部附属病院 臨床試験データ管理学)
- 湯地 晃一郎(東京大学医科学研究所附属病院 内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
15,132,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
がん患者が安心できる療養をおこなうことのできる環境作りには、地域の中で住み慣れた居宅における医療・介護の提供、緊急時の後方病院の存在など、各々の医療・介護・福祉などの関連組織の役割分担をどのように有機的に組み立てるかが問題となる。本研究は、在宅医の早期参加による在宅緩和医療を推進するために必要な、在宅医療の講習、情報交換、在宅医療支援企業、在宅医療支援医療スタッフ、地域医療の中での役割分担、がん専門病院基幹病院との連携システムのあり方を明らかにすることを目的とする。
研究方法
医療診療水準の維持、患者・医療者信頼関係の維持、患者・家族の社会的療養環境、行政支援による居宅整備、市民でも理解し易い「緩和病期」の設定と患者・家族、医療者啓発、行政・市民の協力・支持を得るための組織作りなどとし、現体制を強化する機能的なモデル構築に必要な事項を調査する.
地域連携モデルの3類型について、円滑な運営のための要件を抽出する.各グループのかかえる個別の問題点の要因について、在宅医の早期参加を円滑に行いうる「仕組み」をこれらのフィールドでさらに詳細に検討する。
地域連携モデルの3類型について、円滑な運営のための要件を抽出する.各グループのかかえる個別の問題点の要因について、在宅医の早期参加を円滑に行いうる「仕組み」をこれらのフィールドでさらに詳細に検討する。
結果と考察
定期連絡会議等で“顔の見える関係”の構築、在宅医療の後方病床確保、患者・家族も参加する退院前連絡会など、患者・家族の不安を軽減する仕組み、人材の能率的配置、在宅支援24時間体制、情報共有のためのIT活用法具体化、行政・市民の協力・支持を得るための組織作りなどが必要である。行政の支援は、現場でのニーズを十分に把握して、現場の活力を生かす後押し的な支援が非常に効果を上げる。これらの要点をガイドブックにまとめた。
結論
現行のがん在宅療養のモデルを、基幹医療機関、在宅医療医、医師会が各々中心となる診療システムグループの3類型に分析した.地域特性を考慮し展開可能な在宅がん緩和医療のモデルが複数考えられる。地域連携の役割分担を見直し効果的な地域ネットワークを構築する必要がある。
公開日・更新日
公開日
2009-05-15
更新日
-