増殖型ベクターと幹細胞のオリジナル技術による革新的な癌遺伝子治療法の開発

文献情報

文献番号
200823043A
報告書区分
総括
研究課題名
増殖型ベクターと幹細胞のオリジナル技術による革新的な癌遺伝子治療法の開発
課題番号
H19-3次がん・一般-029
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
小戝 健一郎(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 遺伝子治療・再生医学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 室伏 善照(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 遺伝子治療・再生医学分野 )
  • 小宮 節郎(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 整形外科学分野 )
  • 瀬戸口 啓夫(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 整形外科学分野 )
  • 坂本 泰二(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 眼科学分野 )
  • 隅田 泰生(鹿児島大学理工学研究科 化学生命・化学工学専攻)
  • 國貞 隆弘(岐阜大学大学院医学系研究科 組織・器官形成分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
25,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
独自開発のm-CRA(多因子制御の増殖型アデノウイルスベクター)技術を基盤に、1)7因子搭載の新型サバイビン反応性m-CRA(Surv.m-CRA)を開発、2)癌の新しい標的機構による新m-CRAの開発、3)癌幹細胞を標的・治療するm-CRAの開発を行うことで、革新的な癌治療法を開発、臨床応用の実現を目的とする。
研究方法
1)新型Surv.m-CRの開発と臨床化
① E1領域の4因子制御での癌特異化増強、治療遺伝子の2因子での治療効果増強、RGD型へのファイバー改変による癌細胞への遺伝子導入効率増強の、7因子制御Surv.m-CRAを作成、機能解析を行う。
② RNAi発現m-CRAのシステムを作製。
③ シュガーチップで、新たなアデノウイルス濃縮法を開発。
2)新しい標的機構による新m-CRAの開発
3) 癌幹細胞を標的・治療するm-CRAの開発
① 数種類の癌細胞株からCD133陽性細胞を濃縮分離。
② CD133陽性/陰性分画でファイバー改変アデノウイルス遺伝子導入効率の検討。
③ CD133陽性/陰性分画に対してSurv.m-CRA、Tert.m-CRAのin vitroウイルス増殖能の検討
結果と考察
1) 新型Surv.m-CRA)の開発
変異E1Bの第二の腫瘍特異的プロモーター制御による癌特異化(安全性)増強を実証し、新たにRNAi搭載m-CRAシステムの開発、ならびに将来の治療遺伝子となる新しい分子機能を同定した。新たなファイバー変異法開発のため、ベクターの糖鎖結合性をシュガーチップとSPRイメージング法にて解析した。
2) 新しい標的機構による新m-CRAの開発
癌で特異的に高発現する分子A, Bの長短2種類のプロモーターでE1Aを制御する 4種の新型m-CRAを作製、癌特異化とその治療効果の解析より、癌治療薬となることが分かった。
3) 癌幹細胞を標的・治療するm-CRAの開発
CD133の陽性・陰性の細胞分画ともに、Tert.m-CRA, Surv.m-CRAは共にウイルス増殖して有用だが、CD133での差はなかった。新たなマーカー抗原X 陽性Sarcoma-initiating cellの分離法、脳腫瘍患者からの癌幹細胞株作製など行った。
結論
上記、1)2)3)と順に革新的な研究だが、計画通り進めることができた。

公開日・更新日

公開日
2009-05-27
更新日
-