全国規模の多施設共同ランダム化比較試験と背景因子分析に基づく早産予防ガイドラインの作成

文献情報

文献番号
200822010A
報告書区分
総括
研究課題名
全国規模の多施設共同ランダム化比較試験と背景因子分析に基づく早産予防ガイドラインの作成
課題番号
H19-子ども・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
岡井 崇(昭和大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 齋藤 滋(富山大学 大学院 医学薬学研究部)
  • 岩下 光利(杏林大学 医学部)
  • 杉本 充弘(日本赤十字社医療センター)
  • 上妻 志郎(東京大学 医学部)
  • 名取 道也(国立成育医療センター)
  • 中林 正雄(恩賜財団愛育病院)
  • 宇賀 直樹(東邦大学 医学部)
  • 楠田 聡(東京女子医科大学 医学部)
  • 木内 貴弘(東京大学医学部附属病院)
  • 金山 尚裕(浜松医科大学 医学部)
  • 山本 樹生(日本大学 医学部)
  • 竹下 俊行(日本医科大学 医学部)
  • 井坂 惠一(東京医科大学 医学部)
  • 朝倉 啓文(日本医科大学武蔵小杉病院)
  • 田中 政信(東邦大学 医学部)
  • 吉田 幸洋(順天堂大学浦安病院)
  • 松田 義雄(東京女子医科大学 医学部)
  • 篠塚 憲男(胎児医学研究所)
  • 田中 忠夫(東京慈恵会医科大学 医学部)
  • 田中 守(慶應義塾大学 医学部)
  • 池田 智明(国立循環器病センター)
  • 中井 章人(日本医科大学付属多摩永山病院)
  • 明城 光三(国立病院機構 仙台医療センター)
  • 松原 茂樹(自治医科大学附属病院)
  • 渡辺 博(独協医科大学附属病院)
  • 荻野 満春(国立国際医療センター)
  • 小林 浩(奈良県立医科大学附属病院)
  • 小口 秀紀(トヨタ記念病院)
  • 苛原 稔(徳島大学 医学部)
  • 星合 昊(近畿大学医学部附属病院)
  • 北川 道弘(国立成育医療センター)
  • 竹田 省(順天堂大学 医学部)
  • 佐藤 昌司(大分県立病院)
  • 友岡 康弘(東京理科大学 基礎工学部)
  • 伊東 宏晃(国立病院機構 大阪医療センター)
  • 上塘 正人(鹿児島市立病院)
  • 嘉村 敏治(久留米大学医学部附属病院)
  • 伊藤 昌春(愛媛大学医学部附属病院)
  • 下屋 浩一郎(川崎医科大学 医学部)
  • 水上 尚典(北海道大学 大学院 医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
23,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、日本で可能なスクリーニング法として、経腟超音波法による頸管長の計測を全症例で行い、不顕性感染のチェックに基づいて妊婦管理を行うことで実際に早産を減少させ得るか否か、また、頸管長の短縮例に頸管縫縮術が有効か不顕性感染陽性例にUTIが有効かを多施設共同のランダム化比較試験で検証することである。同時に、日本人女性の生活様態の変化などが背景因子として関わっているか否かを調査する。研究の成果は日本では数の少ない質の高いEBMとなり、それを基に日本のほとんどの施設が受け入れ可能な「早産予防の為の妊婦管理ガイドライン」を作成し、それによって日本の早産率、特に早期早産率の実質的低下を実現する事を最終目標としている。
研究方法
妊娠中期の頸管長短縮例で不顕性感染を伴わない症例に対し、現在明らかなエビデンスが存在しない頸管縫縮術の有効性について検証すること、及び、不顕性感染陽性例について、多くの臨床医の間で有効と信じられ多くの施設で既に使用されているが、レベルの高いエビデンスがないため保険適応となっていないUrinary Trypsin Inhibitor (UTI) の有用性を検証することした。また、それぞれの症例の背景(生活習慣や健康状態の基礎情報)も分析し、それらとRCTの成果を基に『早産予防のための妊婦管理ガイドライン』を作成する。尚、症例の登録および割付についてはUMINによるインターネット経由のオンラインコンピューターシステムを用いる。
結果と考察
総参加施設数を全国の約60施設とし、研究開始にあたっては参加施設毎に倫理委員会の承諾を得、その上で各患者に研究の概要を説明し、充分な理解の上で書面にての同意を得る。各群において早産発生率に明らかな統計学的な有意差が出た段階で、明らかに高い群は選択肢から消去する。研究に参加する各施設でインターネットを用いて当研究専用のホームページから症例の登録と割付を行い、その際にはパスワードを幾重にも設定している。
結論
今年度は、以下の6点(1.研究プロトコールの作成、2.研究実施体制の全国レベルへの拡大、3.協力施設・産婦人科医師への啓発、4.各施設倫理委員会の承認の取得、5.症例登録、6.務者への啓発)について成果を挙げた。また、1)日本早産予防研究会ホームページと周産期関連学会ないし研究会ホームページとの相互リンク、2)妊婦向け商業雑誌での早産特集企画の依頼、3)対象患者への説明方法の画一化、を行った。また、全国の産婦人科医師を対象として早産に関する学術的な知識の向上と交流を目的として「日本早産予防研究会第2回学術集会を開催した。

公開日・更新日

公開日
2009-10-07
更新日
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