文献情報
文献番号
200822008A
報告書区分
総括
研究課題名
法制化後の小児慢性特定疾患治療研究事業の登録・管理・評価・情報提供に関する研究
課題番号
H19-子ども・一般-002
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
藤本 純一郎(国立成育医療センター 研究所)
研究分担者(所属機関)
- 加藤忠明(国立成育医療センター研究所成育政策科学研究部)
- 柳澤正義(日本子ども家庭総合研究所)
- 別所文雄(杏林大学医学部小児科)
- 内山聖(新潟大学大学院医歯学総合研究科)
- 森川昭廣(北関東アレルギー研究所)
- 柳川幸重(帝京大学医学部小児科学教室)
- 藤枝憲二(旭川医科大学小児科)
- 伊藤善也(日本赤十字北海道看護大学臨床医学領域)
- 武井修治(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科)
- 杉原茂孝(東京女子医科大学小児科)
- 伊藤道徳(香川小児病院)
- 小池健一(信州大学医学部小児医学講座)
- 有賀正(北海道大学大学院医学研究科)
- 飯沼一宇(石巻赤十字病院)
- 松井陽(国立成育医療センター病院)
- 原田正平(国立成育医療センター研究所成育政策科学研究部)
- 西牧謙吾(国立特別支援教育総合研究所教育支援部)
- 斉藤進(日本子ども家庭総合研究所)
- 掛江直子(国立成育医療センター研究所成育政策科学研究部)
- 坂本なほ子(国立成育医療センター研究所成育社会医学研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
17,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
小児慢性特定疾患治療研究事業(以下、小慢事業)は、平成17年度に児童福祉法に基づく事業となり、10年度以降毎年、厚生労働省に10-12万人分の電子データによる事業報告が行われている。近年のコンピュータの著しい機能向上を利用し、研究班で作成した新たな疾患登録ソフトを用いて、法制化前後の登録状況を解析した。
研究方法
20年末までに、全国から厚生労働省に事業報告が行われた電子データを基に、全国的な疫学調査等を行った。10-19年度小慢事業の合計延べ1,067,256人の資料に関して、質問紙調査を含む各種の解析を行った。
結果と考察
18年度小慢事業の全国登録状況は17年度とほぼ同様であった。また、病理診断名での登録、細分類された疾患名での登録となり、無記入や不明な登録内容が減少したので、登録内容はより正確になったと期待される。個人情報に全く触れない統計情報は、解析結果の詳細を英文も含めてホームページに掲載した(http://www.nch.go.jp/policy/shoumann.htm)。
小慢事業に非継続となった場合の理由は、制度上の理由、家族の都合、経過が順調を合わせると90.8%であり、小慢事業はほぼ適正に運営されていた。
悪性新生物のような専門性の高い疾患も、患者が多数の施設に少人数ずつ分散していた。
ネフローゼ症候群の治療中、肥満への対応に苦慮している現状が明らかになった。
慢性呼吸器疾患や慢性消化器疾患等に新規に追加された疾患は、難治性の疾患であり、今まで全国的に統一された調査報告がなく、小慢事業の有用性が明らかになった。
術後後遺症を残しやすい先天性心疾患の登録が増加し、患児家族のQOL向上に役立つ。
稀少疾患についての詳細な解析が可能となり、小慢事業のデータの有用性が示された。
難治性若年性特発性関節炎に対する抗サイトカイン療法の有効性が示された。
糖尿病は、ここ数年、血糖コントロールの改善が見られなかった。
血小板減少症や機能異常症の病態や治療方法が明らかになった。
小慢事業に非継続となった場合の理由は、制度上の理由、家族の都合、経過が順調を合わせると90.8%であり、小慢事業はほぼ適正に運営されていた。
悪性新生物のような専門性の高い疾患も、患者が多数の施設に少人数ずつ分散していた。
ネフローゼ症候群の治療中、肥満への対応に苦慮している現状が明らかになった。
慢性呼吸器疾患や慢性消化器疾患等に新規に追加された疾患は、難治性の疾患であり、今まで全国的に統一された調査報告がなく、小慢事業の有用性が明らかになった。
術後後遺症を残しやすい先天性心疾患の登録が増加し、患児家族のQOL向上に役立つ。
稀少疾患についての詳細な解析が可能となり、小慢事業のデータの有用性が示された。
難治性若年性特発性関節炎に対する抗サイトカイン療法の有効性が示された。
糖尿病は、ここ数年、血糖コントロールの改善が見られなかった。
血小板減少症や機能異常症の病態や治療方法が明らかになった。
結論
10-19年度小慢事業の延べ1,067,256人の電子データを利活用し、疾患ごと、及び疾患群ごとに解析を行い、医療レベルを向上させる有益な所見を得た。
公開日・更新日
公開日
2009-09-17
更新日
-