リハビリテーション患者データバンク(DB)の開発

文献情報

文献番号
200821056A
報告書区分
総括
研究課題名
リハビリテーション患者データバンク(DB)の開発
課題番号
H19-長寿・一般-028
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 克則(日本福祉大学 社会福祉学部)
研究分担者(所属機関)
  • 山口 明(喜平リハビリテーションクリニック)
  • 山鹿眞紀夫(熊本リハビリテーション病院)
  • 鴨下 博(東京都保健医療公社・多摩北部医療センター)
  • 原 寛美(相澤病院リハビリテーションセンター)
  • 西村尚志(森山病院リハセンタ)
  • 宮井一郎(森之宮病院)
  • 大串幹(熊本大学医学部付属病院理学療法部)
  • 豊田章宏(中国労災病院)
  • 小林祥泰(島根大学医学部付属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
13,280,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
リハビリテーション(以下,リハ)患者の多施設共同利用型データバンク(DB)の開発を目的とした.①脳卒中リハ患者DBを中核に,2つの垂直方向(急性期と慢性期)と2つの水平方向(大腿部頚部骨折と認知症)への展開を図ること,②データ入力負担の軽減を図りつつ参加病院を増やすこと,③データの質の向上とデータ分析,④関連団体との協議を進めることを,2008(平成20)年度の目標とした.
研究方法
5つのWGと全体班会議を組織し,上記の①~④の柱に沿ってDBの開発研究を進めた.
結果と考察
①中核となる脳卒中リハ患者DB用のデータベースソフトはver3.3まで改定した.急性期の脳卒中DBとの連結の実証実験を行い,慢性期のDBの項目の絞り込みを行った.新たに大腿骨頸部骨折患者用のデータベースソフトを開発し登録を始めた.認知症患者DBについては,標準化された尺度が確立されていないことから,まずはリハ患者においてどのような認知症様症状が経過に影響を与えるのかを分析することとした.原因疾患によらず登録できるリハ患者台帳を開発した.②各病院独自のデータベースの登録データをDBに取り込むインターフェースソフトをいくつかの病院について開発し,電子カルテ(ソフトウェアサービス社製)データのDBへの取り込みができるインターフェースも開発した.それらの結果2008年3月の24病院の2013人(うちver2.31項目の完全入力数1337人分)から,2009年3月に参加病院も累計で30病院に増え,3,949人(ver3.1の必須項目完全入力数2,144人分)まで登録患者数もほぼ倍増した.③データの質を高めるため,論理式による異常値のチェックとエラーメッセージを出す機能,データクリーニングや統計ソフトSPSS用データ作成を支援するソフトなども開発した.各病院の業務分析に役立つ入力データの集計機能,それを活用した病院間比較分析報告書などの作成も行った.本格的な分析に向けて,SPSSのセミナーを行い,データ分析を担える人材養成も行い,複数の学会での演題発表を行った.④リハ医学会のデータマネジメント委員会にも参加し,今後の運用方法について協議した.総じて開発は順調に進んでいる.今後はデータの質の向上,いっそうのデータ入力負担の軽減,データの分析などが課題となる.
結論
リハ患者DBを開発・改訂し,データ登録が30病院,3,949人にまで到達し,データの質向上,病院間比較分析など付加機能も拡充してきている.明らかとなった課題について,今後の改善が期待される.

公開日・更新日

公開日
2009-05-22
更新日
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