介護保険施設におけるマネジメント理論の展開に関する実証的研究

文献情報

文献番号
200821047A
報告書区分
総括
研究課題名
介護保険施設におけるマネジメント理論の展開に関する実証的研究
課題番号
H19-長寿・一般-018
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
小山 秀夫(静岡県立大学大学院 経営情報学研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
3,980,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、先行研究や各種政府統計資料等から、諸外国並びにわが国における近年の高齢者ケア政策等の実態を把握し、コンプライアンス経営の有無や介護保険施設の社会的責任等の概念導入について、介護老人保健施設協会会員施設への調査から実態を明らかにすることを目的とした。
研究方法
先行研究や各種政府統計資料等から、諸外国並びにわが国における近年の高齢者ケア政策等の実態を把握するため文献調査を行い、コンプライアンス経営に関する方策についての調査企画を行った。また、社団法人全国老人保健施設協会会員施設3,290施設を対象とし、平成20年2月に実施した「介護老人保健施設における経営と管理者の業務実態に関するアンケート調査」を詳細に集計解析した。
結果と考察
【結果】介護老人保健施設の現状と課題を把握することを目的とし、介護老人保健施設における経営と管理者の業務実態に関するアンケート調査を実施した。調査は平成20年2月の3週間に行い、全国老人保健施設協会会員施設3,290施設に対して調査票を送付し、回収率は32.4%であった。
調査結果から、①老健施設の長期化を肯定する意見が約6割を超え、いわゆる医療外出し論を肯定する意見も約7割以上であり、老健施設の機能自体が変化しつつある、また②老人保健施設でもコンプライアンス経営の取り組み状況は低調であるという知見を得た。
またさらに、「老人保健施設の機能」、「介護サービス事業経営への意識」、「コンプライアンス経営の現状」、「介護サービス情報の公表制度の活用」に視点を絞り、自由記述の解析も加え詳細な分析を行ない、コンプライアンス経営が介護経営に極めて重要であることが整理できた。
【考察】コンプライアンスの実践とは、違法なことはしない、言行一致を心がける、説明を尽くすなど、職員全員が倫理観や法令遵守の意識を持ってもらうための最低限必要なルールを徹底するための体制を保つことであると考えられ、組織内でのコンプライアンス違反の防止や発見のために実施している体制および各事業所の管理者対象の職務をサポートする体制は今後重要になると考えられる。
結論
本研究では、先行研究や各種政府統計資料等から、諸外国並びにわが国における近年の高齢者ケア政策等の実態を把握し、コンプライアンス経営の有無や介護保険施設の社会的責任等の概念導入について、介護老人保健施設協会会員施設への調査を行い、調査結果からコンプライアンス経営が極めて重要であることが整理できた。

公開日・更新日

公開日
2017-10-03
更新日
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