文献情報
文献番号
200818023A
報告書区分
総括
研究課題名
小児慢性腎臓病(CKD)に対するアンジオテンシン受容体拮抗薬による治療の確立のための臨床研究計画の作成
課題番号
H20-臨床研究・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
上村 治(あいち小児保健医療総合センター 内科部)
研究分担者(所属機関)
- 本田 雅敬(東京都立清瀬小児病院)
- 服部 元史(東京女子医科大学医学部 腎臓小児科)
- 和田 尚弘(静岡県立こども病院 腎臓内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
8,781,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
小児慢性腎臓病(CKD)、特に保存期慢性腎不全の医療レベルを向上する事を目的に、ACE-I(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)とともに成人では有効性が示されているが小児ではエビデンスのないARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)の小児での有効性と安全性を確認し、エビデンスレベルの高い薬物療法の浸透をはかるために、ARBによる治療の確立のための臨床研究計画を作成する。
研究方法
過去10年間の成人及び小児におけるCKDに対するACE-I、ARBの腎保護作用についての文献調査結果、および小児CKDでの薬物療法の使用実態を把握する目的での全国規模の調査結果をもとに、本研究の必要性と実現可能性を事前会議、プロトコル委員会で打ち合わせ、班会議で検討する。
被験薬の選択は、腎機能低下者における薬物代謝、米国での小児高血圧の適応取得状況、日本での使用状況などを参考に、対照薬の選択は標準治療としての妥当性を腎臓小児専門医の意見や過去の報告を参考に、決定する。
目標症例数、登録機関、試験実施予定期間は、ACE-I/ARBの成人に対する腎保護作用を証明した文献(RCT)や、対照薬の成人や小児に対する有効性を検討した文献から無イベント率を設定して決定する。
被験薬の選択は、腎機能低下者における薬物代謝、米国での小児高血圧の適応取得状況、日本での使用状況などを参考に、対照薬の選択は標準治療としての妥当性を腎臓小児専門医の意見や過去の報告を参考に、決定する。
目標症例数、登録機関、試験実施予定期間は、ACE-I/ARBの成人に対する腎保護作用を証明した文献(RCT)や、対照薬の成人や小児に対する有効性を検討した文献から無イベント率を設定して決定する。
結果と考察
過去10年間のCKDに対するACE-I、ARBの腎保護作用についての文献調査で、成人と異なり小児にエビデンスレベルの高い報告がないことを確認した。小児CKDでの薬物療法の使用実態を把握する目的で全国規模の調査を行い、今回の臨床試験の予定登録症例数(120例)、試験治療薬(被験薬:バルサルタン、対照薬:球形吸着炭)を含めた計画デザインの実現可能性を確認した。なお、対照薬群の2年間の無イベント率を0.40-0.60、被験薬群の対照薬群に対する期待されるハザード比を0.5程度と考えた。
そこで「保存期の小児慢性腎臓病患者を対象としたバルサルタンと球形吸着炭の腎保護効果に関するランダム化比較試験研究」の実施計画書を策定した。実態調査で症例数の多かった15施設の協力を得て、平成20年度以降に本臨床試験を開始する予定である。
そこで「保存期の小児慢性腎臓病患者を対象としたバルサルタンと球形吸着炭の腎保護効果に関するランダム化比較試験研究」の実施計画書を策定した。実態調査で症例数の多かった15施設の協力を得て、平成20年度以降に本臨床試験を開始する予定である。
結論
過去10年間のACE-IとARBの文献調査結果と、小児CKDでの薬物療法の使用実態を把握する目的で行った全国規模の調査の結果を、本試験の必要性と実現可能性の観点から、事前会議、プロトコル委員会、班会議で検討し、研究実施計画書と説明同意文書を作成した。
公開日・更新日
公開日
2011-11-04
更新日
-