文献情報
文献番号
200817011A
報告書区分
総括
研究課題名
アナフィラトキシン阻害ペプチドの実用化推進研究
課題番号
H20-トランス・一般-003
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
岡田 秀親(医療法人さわらび会 福祉村病院 長寿医学研究所)
研究分担者(所属機関)
- 小橋 修(医療法人さわらび会 福祉村病院)
- 赤津 裕康(医療法人さわらび会 福祉村病院)
- 寺尾 恵治((独)医薬基盤研究所霊長類医科学研究センター)
- 戸苅 創(名古屋市立大学医学部)
- 岡田 則子(名古屋市立大学医学部)
- 間瀬 光人(名古屋市立大学医学部)
- 多田 豊曠(名古屋市立大学看護学部)
- 大塚 隆信(名古屋市立大学医学部)
- 祖父江 和哉(名古屋市立大学医学部)
- 前田 康博(名古屋市立大学薬学部)
- 今井 優樹(名古屋市立大学医学部)
- 黒野 幸久(名古屋市立大学薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(基礎研究成果の臨床応用推進研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
71,599,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
C5aアナフィラトキシン(特許第4106691号)を特異的に阻害するペプチドを創生した。このペプチド(PepA)は100%のラットがショック死を起こす実験モデルにおいて、全例を救命した(J. Immunol.172:6382,2004)。アミノ末端のアラニンをアセチル化したAcPepAはさらに強い効果を示した(Microbiol. Immunol.51, 439-443 (2007)。重篤なゼプシス患者の救命にAcPepAの有用性を、医師主導型臨床研究で立証する。
研究方法
AcPepAをcGMP規格で合成し、ゼプシス病態に対する治療効果をブタ新生児の回盲部結札穿孔で起こした致死的急性腹膜炎モデルなどを用いて確認する。前臨床安全性試験をラットおよびカニクイザルで実施する(スギ生物科学研究所に依託)。
結果と考察
①エンドトキシンショックからAcPepAで救命されるカニクイザルでは、HMGB1の放出が抑えられてサイトカインストームの悪循環を防ぐことが分かった (Mol. Immunol. 45: 4113, 2008;特願2008-288523)。
②人への投与可能なcGMP規格のAcPepAを依託合成した。
③前臨床安全性試験を開始した。ラット及びカニクイザルに予定臨床投与10倍量の20 mg/kgの急速投与後,60 mg/kg/hrの持続投与を3日間行った。剖検所見を含め全例に異常は認められず、急性毒性はみられなかった。種々の臨床検査においても生理学的変動の範囲内であった。
④9時間で死亡するブタ新生児の回盲部結札穿孔で起こした致死的急性腹膜炎モデルでもcGMP-AcPepAの投与で18時間以上の救命効果を認めることができた。
懸念される副作用は認められないので、救命救急薬としての期待が高まった。
②人への投与可能なcGMP規格のAcPepAを依託合成した。
③前臨床安全性試験を開始した。ラット及びカニクイザルに予定臨床投与10倍量の20 mg/kgの急速投与後,60 mg/kg/hrの持続投与を3日間行った。剖検所見を含め全例に異常は認められず、急性毒性はみられなかった。種々の臨床検査においても生理学的変動の範囲内であった。
④9時間で死亡するブタ新生児の回盲部結札穿孔で起こした致死的急性腹膜炎モデルでもcGMP-AcPepAの投与で18時間以上の救命効果を認めることができた。
懸念される副作用は認められないので、救命救急薬としての期待が高まった。
結論
懸念される副作用は認められないので、救命救急薬としての期待が高まった。
公開日・更新日
公開日
2011-05-30
更新日
-