新型コロナウイルス感染症に対する院内および施設内感染対策の確立に向けた研究

文献情報

• 文献番号: 202006085A
• 報告書区分: 総括
• 研究課題名: 新型コロナウイルス感染症に対する院内および施設内感染対策の確立に向けた研究
• 研究課題名（英字）: -
• 課題番号: 20CA2022
• 研究年度: 令和2(2020)年度
• 研究代表者(所属機関): 賀来 満夫(東北医科薬科大学)

研究分担者(所属機関)

• 八木　哲也(国立大学法人東海国立大学機構　名古屋大学　大学院医学系研究科)
• 舘田　一博(東邦大学医学部 微生物・感染症学講座)
• 柳原　克紀(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 医療科学専攻 展開医療科学講座 病態解析・診断学)
• 鈴木　基(国立感染症研究所　感染症疫学センター)
• 國島　広之(東北大学大学院医学系研究科　感染症診療地域連携寄附講座)
• 高山　義浩(沖縄県立中部病院感染症内科)
• 森井　大一(公立昭和病院)
• 富田　博秋(東北大学　大学院　医学系研究科)
• 遠藤　史郎(東北医科薬科大学　医学部　感染症学教室)
• 多屋　馨子(国立感染症研究所　　感染症疫学センター)
• 吉田　眞紀子(東北大学病院　検査部)

• 研究区分: 厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
• 研究開始年度: 令和2(2020)年度
• 研究終了予定年度: 令和2(2020)年度
• 研究費: 19,423,000円
• 研究者交替、所属機関変更: -

研究報告書（概要版）

研究目的

2020年１月に新型コロナウイルス感染者が国内で初めて発生後、短期間のうちに感染拡大し、医療体制は逼迫し、同年4月には緊急事態宣言が発令される等、緊急かつ重大な状況に直面した。同年5月においては、緊急事態宣言による様々な公衆衛生上の取組により、感染が小康状態となるも、その間、医療機関をはじめ、高齢者施設、障害者施設等の社会インフラにおいて、大規模なクラスターの発生と、それに伴う大量の入院等、更なる医療機能の逼迫を引き起こした。感染症の特性として、再度、感染の再拡大が懸念されており、特に、救急・周産期等の政策医療分野や高齢者施設、障害者施設等の重要な社会インフラである保健医療福祉施設等、不特定多数の者にサービス提供を行う施設等において、無症候性病原体保有者等から従事者等への感染を契機としたクラスターの発生及びその後の社会全体への感染拡大と、それに伴う医療機能への逼迫（最終的にオーバーシュートとなる。）を引き起こしかねない。
これを未然に防ぐためには、感染の標準予防策に加え、例えば、救急医療においては、医療機関への救急搬送時における救急患者からの感染を防ぐために、救急搬送時の導線の見直しや抗原検査等による感染の疑いが晴れるまでの接触予防策を講じる等、各保健医療福祉施設等の特性に応じた感染防御策を、新型コロナウイルス感染症の発生とそれに伴う影響が完全に押さえ込めるまで、徹底的に講じていく必要がある。

研究方法

①各保健医療福祉施設等におけるこれまでの感染パターン等を分析し、②今後同様の感染パターンを防ぐことが可能な、効率的かつ効果的な感染予防策を開発する。開発した感染予防策については、各施設の職員や利用者等関係者に対し、効率的かつ効果的、更には迅速に周知することが重要であるため、③各分野に応じた最適な周知手法についても緊急的に調査する。④その後、得られた最適な周知方法を用い、各分野に対し、開発した各種感染予防策の情報提供を行う。⑤加えて、周知後の各分野への定着度合いを把握し、必要に応じた感染予防策等の改善も行う。
なお、今回新たに開発する感染予防策の対象施設としては、特に医療機関の中でも、社会への影響が危惧される救急等の政策医療分野をはじめとして、利用者の多くが重症化のリスクを有する高齢者・障害者施設等（入所・通所・宿泊・訪問施設等）とする。

結果と考察

12領域（総説・法規、疾患、検査、クラスター対策、感染対策、医療機関、診療所、救急・災害、高齢者施設・介護施設、児童福祉施設など、精神科医療機関・障害者施設、宿泊施設）について、成果物として分担研究者が作成したマニュアル、ムービーなど31件が提出された。研究班のホームページを作成し、それらの成果物を公開した。
ホームページ：新型コロナウイルス感染症 領域別感染予防策
（　http://www.tohoku-icnet.ac/covid-19/mhlw-wg/index.html　）

結論

新型コロナウイルス感染症に対する対応について、施設類型別に情報収集・解析を行い、検討の上、最適な予防策についてのマニュアル、事例集、教育動画を作成し、本研究班ホームページで公開した。期間中に12領域31件の成果物が公開されることとなった。

公開日・更新日

• 公開日: 2023-05-30
• 更新日: -

行政効果報告

• 文献番号: 202006085C

収支報告書

• 文献番号: 202006085Z