災害時保健活動の体制整備に関わる保健師の連携強化に向けた研究

文献情報

文献番号
202027016A
報告書区分
総括
研究課題名
災害時保健活動の体制整備に関わる保健師の連携強化に向けた研究
課題番号
20LA1003
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
宮崎 美砂子(国立大学法人 千葉大学 大学院看護学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 奥田 博子(国立保健医療科学院 健康危機管理研究部)
  • 雨宮 有子(千葉県立保健医療大学 健康科学部看護学科)
  • 時田 礼子(渡邊 礼子)(東京情報大学 看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
4,962,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、災害時の保健活動の推進のために、都道府県及び保健所設置市等の本庁、保健所、市区町村の各機関の保健師の連携及び地元関係団体との連携において強化すべき内容、方法を明らかにし、災害時の連携体制の構築に役立つガイドラインを作成することである。平時の連携の在り様が災害時の基盤となることから、平時の連携の在り方を含め検討する。本年度は本研究の1年目である。災害時の保健活動推進のために必要な、都道府県及び保健所設置市等の本庁、保健所、市区町村の各機関の保健師の連携及び関係団体との連携の内容と方法に関する項目リストの作成を成果目標とする。
研究方法
6つの分担研究を設定した。文献調査による連携の仮説的枠組みの作成(分担研究1)、所属機関の異なる各保健師及び関係団体へのヒアリング調査(分担研究2:都道府県本庁調査、分担研究3:県型保健所調査、分担研究4:市町村調査、分担研究5:保健所設置市調査)、各調査結果の統合による連携の項目リストの作成(分担研究6)
結果と考察
1.文献調査は自然災害53件、その他の健康危機12件から災害時の所属機関の異なる保健師間の連携及び関係団体との連携の事象をそれぞれ抽出し、連携の定義及び後続する調査のための仮説的な枠組みを作成した。
2.豪雨、台風、地震の各災害時における支援活動経過について県本庁保健師4名、県型保健所保健師9名、市町村保健師4名、保健所設置市保健師6名、関係団体4名から、所属の異なる保健師間の連携、関係団体との連携に焦点をあてて聴取した。発災後の時期、連携の発動者、連携の目的・意図、背景及び平時からの連携に着目して連携の内容を整理した。
3.分担研究2~5の結果を統合し保健師間の連携及び関係団体との連携の項目を生成した。災害時における保健師間の連携項目は、発災直前の時期3項目(協議、確認等)、超急性期15項目(状況把握等)、急性期・亜急性期67項目(状況把握、意思決定支援、協議、現場支援等)、慢性期17項目(協議、調整、相談等)、静穏期11項目(課題共有)から成る内容であった。関係団体との連携項目は超急性4項目(支援人材確保、支援協力)、急性期・亜急性期19項目(支援人材確保、支援協力、調整)、慢性期22項目(支援協力、調整)、静穏期2項目(課題共有等)から成る内容であった。平時からの連携は、保健師間では人材育成やマニュアル等の検討、関係団体においては事業の実施協力、会議等への参加に見られた。災害時の保健師間の連携の課題として、統括保健師の機能強化、災害支援活動に対する知識や組織間連携の重要性への認識の不足等があり、関係団体との連携の課題には、個人の関係が組織やネットワークへと発展しにくいこと、連携経験の伝承不足等があった。た。災害時の保健師間の連携項目は、発災直前の時期3項目(協議、確認等)、超急性期15項目(状況把握等)、急性期・亜急性期67項目(状況把握、意思決定支援、協議、現場支援等)、慢性期17項目(協議、調整、相談等)、静穏期11項目(課題共有)から成る内容であった。関係団体との連携項目は超急性4項目(支援人材確保、支援協力)、急性期・亜急性期19項目(支援人材確保、支援協力、調整)、慢性期22項目(支援協力、調整)、静穏期2項目(課題共有等)から成る内容であった。平時からの連携は、保健師間では人材育成やマニュアル等の検討、関係団体においては事業の実施協力、会議等への参加に見られた。災害時の保健師間の連携の課題として、統括保健師の機能強化、災害支援活動に対する知識や組織間連携の重要性への認識の不足等があり、関係団体との連携の課題には、個人の関係が組織やネットワークへと発展しにくいこと、連携経験の伝承不足等があった。
結論
発災後の時期別に、災害時における保健師間及び関係団体との連携項目リストを作成した。この連携項目リストを災害時保健活動の推進に役立てるには、連携項目と災害時保健活動とのつながりを確認し連携を活動過程の中に位置づけること、項目全体の体系や系統性から精査すること、連携事象を加えて精錬させていくことの必要性が明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2022-05-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2022-05-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202027016Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
6,450,000円
(2)補助金確定額
4,992,000円
差引額 [(1)-(2)]
1,458,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,083,561円
人件費・謝金 699,757円
旅費 0円
その他 720,682円
間接経費 1,488,000円
合計 4,992,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2022-02-21
更新日
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