CBRNEテロリズム等の健康危機事態における対応能力の向上及び人材強化に関わる研究

文献情報

文献番号
202027013A
報告書区分
総括
研究課題名
CBRNEテロリズム等の健康危機事態における対応能力の向上及び人材強化に関わる研究
課題番号
19LA1010
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 久禎(独立行政法人国立病院機構本部 DMAT事務局)
研究分担者(所属機関)
  • 明石 真言(東京医療保健大学 東が丘・立川看護学部看護学科)
  • 木下 学(防衛医科大学校免疫微生物学)
  • 齋藤 大蔵(防衛医科大学校防衛医学研究センター外傷研究部門)
  • 嶋津 岳士(大阪大学大学院医学系研究科 救急医学)
  • 竹島 茂人(自衛隊中央病院 救急科)
  • 若井 聡智(独立行政法人国立病院機構本部 DMAT事務局)
  • 齋藤 智也(国立感染症研究所 感染症危機管理研究センター)
  • 高橋 礼子(愛知医科大学 災害医療研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
3,850,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、世界健康安全保障行動グループ会合(GHSAG)を含む、ネットワークを通じて国内外の最新の科学的・政策的知見を集約し、各国の政策・実事例の分析を行う。その結果を厚生労働省に提示し、本邦におけるCBRNEテロ災害・マスギャザリングに関する公衆衛生及び医療に予防・検知・対応能力の現状の課題と改善点を提案する。また、明らかにされた課題・改善点を継続的に対応していくために、本邦の健康危機管理対応に資する人材の強化に必要な事項を検討し、その成果を素案として厚生労働省に報告する。更に、健康安全・危機管理対策総合研究事業との連携の中で作成したアウトリーチツール改訂を行い、本邦における公衆衛生及び医療分野における継続的なCBRNEテロ対応を行う。
研究方法
CBRNEテロ災害・マスギャザリングに関する公衆衛生及び医療の予防・検知・対応に資する人材の強化に関する研究【研究1】。作成したアウトリーチツールの修正等を行い一般公開する。現行の社会医学系専門医研修プログラムを確認し、人材育成強化に向けて獲得すべき能力・強化すべき分野等の同定を行う。CBRNEテロ災害・マスギャザリングに関する国内外の最新の科学的・政策的知見に関わる研究【研究2】:GHSAG、国際軍事医学関連会議等に参加、国際的な動向や新たな知見を得る。放射線:国内外の教育・研修を分析、我が国における対応能力の課題と改善点を提案。人材強化に必要な事項を検討。生物:GHSAGを通じて、参加国における情報の収集と分析、政策・人材育成強化に向けた課題と改善点のフィードバックを実施。化学剤:GHSI のCEWGを通じて情報収集と発信を行う。爆弾テロ・爆傷:爆傷関連の文献を渉猟し、法執行機関の方々とのヒヤリング結果を基盤として、本邦における爆傷の救護・搬送体制の一案を提言する。自衛隊・軍事関連分野における国際・国内知見【研究3】:出版ハンドブックから、最新のCBRN脅威の動向に関して、その歴史的経緯も念頭に考察。遺伝子情報からみたCOVID-19 の起源に関しても考察する。自衛隊中央病院のCOVID-19感染患者を受入の状況を分析し考察。医療と法執行機関との連携【研究4】:「事態対処医療ガイドブック」から、事態対処事案、CBRNEテロリズム等への対応について歴史的経緯とともに考察する。CBRNEテロ災害・マスギャザリングに関する国内外の知見を基に、予防・検知・対応能力の現状と課題を明らかにする研究【研究5】。CBRNE関係専門家会合を実施。CBRNEテロ対応医薬品・医療資機材の保有状況調査は、厚生労働省より現状の調査項目リストを入手し、対象となる医薬品が特に多いと考えられるBテロ対応医薬品を中心に、確認・整理。
結果と考察
【研究1】:医療分野:アウトリーチツールの修正を行った。公衆衛生分野:社会医学系専門医研修が基本プログラムに含まれることを確認。【研究2】:放射線テロ:国際研修に講師として参加、放射線被ばくに関する情報を収集。国内で行われた教育・研修に参加、情報を分析。生物テロ及びリスクマネジメント:GHSAG BioWG会合、特に新型コロナウイルス感染症の臨床マネジメントと医療機関内感染対策を中心とした意見交換の場となった。化学テロ:CEWGではフェンタニル系薬物の散布による化学テロの危険性情報、化学災害からの回復に関するワークショップの準備、WHOからの支援要請などの情報があった。爆弾テロ・爆傷:本邦における銃創・爆傷の救護・搬送の一案を検討し提案。【研究3】: COVID-19 の起源について防衛研究を通じて実施。自衛隊中央病院の対応状況などを調査し分析。【研究4】:「法執行機関と の医療連携のあり方に関する検討委員会研修コース等検討小委員会」が設置され、“事態対処医療 の標準化”の検討開始。【研究5】:NBC専門家会会合をCOVID-19への対応というトピックで実施した。CBRNEテロ対応医薬品・医療資機材の保有状況調査項目改訂はBテロ対応医薬品の整理を行った。
それぞれの考察は研究報告書に記載。
結論
今年度の研究では、世界的な新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえ、感染症関連分野での新知見の整理を行うと共に、感染症分野以外でも他ハザードの影響も踏まえたテロ対策・対応等について知見の整理を行った。またH31小井土班から引き続き、アウトリーチツールの改訂及び公衆衛生人材育成に関する現状把握を行った。
来年度も引き続き、新型コロナウイルス感染症対応を含めた国内外の知見を集約・分析を行いつつ、本邦の健康危機管理対応に資する人材の強化に必要な分野、能力、プログラムの素案作成等を進めていく。

公開日・更新日

公開日
2024-08-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2022-05-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202027013Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,000,000円
(2)補助金確定額
2,153,000円
差引額 [(1)-(2)]
2,847,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 186,237円
人件費・謝金 0円
旅費 44,673円
その他 772,846円
間接経費 1,150,000円
合計 2,153,756円

備考

備考
自己資金756円

公開日・更新日

公開日
2022-01-31
更新日
-