文献情報
文献番号
200813002A
報告書区分
総括
研究課題名
高速セルイメージングを可能にする次世代 X線CT用ハロゲン化物シンチレータの開発
課題番号
H20-活動・一般-001
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
吉川 彰(東北大学多元物質科学研究所)
研究分担者(所属機関)
- 柳田 健之(東北大学 多元物質科学研究所)
- 横田 有為(東北大学 多元物質科学研究所)
- 窪 秀利(京都大学 大学院理学研究科)
- 関谷 洋之(東京大学 宇宙線研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(活動領域拡張医療機器開発研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
50,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は紫外発光ハロゲン化物シンチレータとガスカウンター(GC)を用いた次世代X線CTセンサー部を開発することである。将来的に紫外発光シンチレータピクセルアレイとGCを用いて、高速・高解像度・安価な次世代X線CTセンサー部の開発に資すれば幸いである。将来の高解像度CT画像に基づく重粒子線癌治療において、必要不可欠な技術である。
研究方法
研究開発を、(1) 物質設計、(2) 結晶合成、(3) 結晶性評価、(4) 光物性評価、(5) 放射線応答評価の5部門に分けて研究を行っている。ハロゲン化物の合成は世界でも稀な先駆的研究である。 まず、研究室独自の結晶作製法であるマイクロ引下(μ-PD)法を駆使して、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物といったハロゲン化物に希土類蛍光体を加えた結晶の系統的な材料探索を行う。これをGCに光学接着し、放射線を照射することで実際の応用現場に近い形で性能の評価を行う。
結果と考察
研究室独自の結晶作製法であるμ-PD法を駆使し、特にこれまで単結晶育成が困難であった、多種のフッ化物単結晶作成に成功した。また、ハロゲン結晶作成炉も立ち上がり、より広範囲での単結晶材料探索が可能となった。育成された結晶の光学特性評価を行った結果、一部、目的特性を発現する可能性のあるシンチレータが見つかりつつある。初年度の研究計画は ほぼ達成することが出来たといえる。 また、光検出器として検討しているガスカウンタの導入も進み、放射線応答の初期データを得るに至っている。
専用の雰囲気制御合成炉を設計・導入した。研究室の保有する従来の評価システムに加え、SEM/EDX を導入することで、迅速な結晶組成評価システムを確立した。反射率測定装置も設置し、新規物質の基礎物性定数を全て求めることができるシステムを確立した。これら基礎研究に加え、実際にガス受光素子を開発し、シンチレータと融合させることで、放射線の検出が可能であることの実証を行った。
専用の雰囲気制御合成炉を設計・導入した。研究室の保有する従来の評価システムに加え、SEM/EDX を導入することで、迅速な結晶組成評価システムを確立した。反射率測定装置も設置し、新規物質の基礎物性定数を全て求めることができるシステムを確立した。これら基礎研究に加え、実際にガス受光素子を開発し、シンチレータと融合させることで、放射線の検出が可能であることの実証を行った。
結論
既述の様に目標は全て余裕を持って達成している。 次年度に向けた取組みとして、新たなハロゲン化物の探索を開始しおり、代表的な塩化物の合成が可能となった。今後はより複雑な塩化物の合成を行っていく予定である。加えて、ガス撮像検出器開発も行っている。有機系ガスを用いると経年劣化が見られることが分かった。そのためCsI等の光電材料と不活性ガスの組合せによるガス受光素子の試験も行い、良好な結果を得ている。
公開日・更新日
公開日
2010-06-02
更新日
-