神経インタフェース技術の確立による次世代義肢における感覚及び随意運動機能の実現

文献情報

文献番号
200812036A
報告書区分
総括
研究課題名
神経インタフェース技術の確立による次世代義肢における感覚及び随意運動機能の実現
課題番号
H20-ナノ・一般-003
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
満渕 邦彦(東京大学大学院情報理工学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 隆文(東京大学大学院情報理工学系研究科)
  • 國本 雅也(済生会横浜市東部病院・脳神経センター、神経内科学・神経生理学)
  • 石川 正俊(東京大学大学院情報理工学系研究科、生体制御工学)
  • 下条 誠(電気通信大学電気通信学部、ヒューマンインタフェース工学)
  • 竹内 昌治(東京大学生産技術研究所、マイクロ造形工学)
  • 眞溪 歩(東京大学大学院新領域創成科学研究科、計測・信号処理工学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
43,096,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
【研究目的】 本研究の目的は、末梢神経系において電極等を用いて生体の神経系と外部機器の信号ラインを直接かつ永続的に接続し、運動神経情報によって装着者が意思どおりに随意的に人工肢を動かすことができ、又、人工肢に装着したセンサ類に刺激が加えられた際に、この情報を電気刺激のインパルス列として対応する感覚神経線維に入力する事により感覚を生成させ、あたかも自分の手足で触れたように感じさせるという、次世代人工肢システムに必要な神経系と機械系を接続するインタフェース技術の確立にある。
研究方法
【研究方法】 我々は、これまで、微小神経刺激法を用いて被験者の末梢神経の感覚神経線維を刺激し、圧感覚を生成させる試み、及び、運動神経信号と同等の情報を持つ針筋電信号の情報を用いてロボットハンドに生体の手と同じ動きをとらせる試みに成功しており、末梢神経に含まれる感覚神経線維、及び、運動神経線維と充分なチャンネル数でアクセスし、情報の入出力を行なう事が可能な神経電極を開発する事により、これまでの実験結果を応用し、神経活動による運動制御と神経刺激による感覚生成が可能な義肢システムの作成は可能と考えており、MEMS技術を用い、神経再生型を中心とした末梢神経型の多チャンネル神経電極の開発と末梢神経に対する装着実験を進めている。
結果と考察
【結果と考察】 現在、最大の課題である末梢神経型多チャンネル神経電極の開発を最重要課題として進めており、神経再生型電極を中心として、SU8, パリレン等を材料とした末梢神経用電極のプロトタイプの設計・試作を行い、培養細胞系を用いた細胞適合性の検討、動物を用いた in vivo 埋めこみ実験による、運動神経活動の計測、及び神経線維の刺激による感覚生成に関しての性能評価を行っているが、要求されるチャンネル数、材料の生体適合性などに関して、更に検討と改良が必要である。又、微小神経刺激法を用いた人を被験者とした実験や動物実験によって、感覚生成に関する神経情報のコーディング、運動神経情報のデコーディングの解析を進めると共に評価のプラットホームとして用いるロボットハンドの構築を急いでいる。
結論
【結論】 現状における最重要課題は、充分なチャンネル数と長期安定性を有する末梢神経型多チャンネル電極の開発にあり、神経再生型電極を中心とした各種電極の設計・試作と in vitro, in vivo 評価を急いでいる。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
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