低侵襲・高精度骨折整復・治療支援システムの開発

文献情報

文献番号
200812035A
報告書区分
総括
研究課題名
低侵襲・高精度骨折整復・治療支援システムの開発
課題番号
H20-ナノ・一般-002
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
中村 耕三(東京大学医学部附属病院 整形外科・脊椎外科)
研究分担者(所属機関)
  • 大西 五三男(東京大学医学部附属病院 整形外科・脊椎外科)
  • 佐久間 一郎(東京大学大学院工学系研究科 精密機械工学専攻)
  • 光石 衛(東京大学大学院工学系研究科 産業機械工学専攻)
  • 中島 義和(東京大学インテリジェントモデリングラボラトリー)
  • 苅田 達郎(東京大学医学部附属病院 整形外科・脊椎外科)
  • 別所 雅彦(東京大学医学部附属病院 整形外科・脊椎外科)
  • 大橋 暁(東京大学医学部附属病院 整形外科・脊椎外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
47,048,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
骨折整復の診断・治療計画立案・低侵襲治療・予後の評価をコンピュータを使い統合管理し、高精度かつ高精度な骨折整復をを安全に実施すること支援するシステムを開発する。本研究は1、術前診断・骨折治療計画立案・シミュレーションシステムの開発、2、コンピュータ支援骨固定術支援システムの開発、3、コンピュータ制御による高精度骨接合治療支援システムの開発、4、骨折治療支援のための診断・治療情報統合化システムの開発、から構成される。
研究方法
1では、荷重時の関節内圧の低減・均一化、また歩行による荷重軸の位置や移動経路の適正化をはかるための手術計画立案・手術シミュレーションシステムを開発する。2では、骨片を手術ナビゲーション情報に基づき、高精度で移動するコンピュータ支援骨折整復システムと、これと同期して稼動する手術器具誘導システムを統合し、正確な骨片固定を可能にする手術支援システムを開発する。3では低侵襲での精密な手術支援システムとコンピュータ制御の精密駆動骨固定器を開発する。4では、診断・治療情報の統合化により、治療計画立案・実施・評価・予後管理を総合的に支援する医療情報システムの開発を行う。
結果と考察
1では、ソフトウェアのGUIを改良した。ナビゲーションソフトからロボット操作を可能とした。2では、筋骨格モデルを構築し、牽引動作における検証を行った。レーザーガイダンスシステムについては、ナビゲーションシステムからの指示に基づいて、レーザ光により術野へ位置・姿勢呈示が可能であることを確認した。骨折整復支援装置の軽量化・小型化を行った。装置制御ソフトウェアに関しては、拘束軌道の精度向上を図った。レーザガイダンスシステムは、上記ナビゲーションシステムと統合した。3では骨接合装置の位置・姿勢を決めるガイド装置を開発・改良した。また高精度・低侵襲骨接合装置の開発を行った。術前計画および術後の骨接合装置の精密制御を行うソフトを完成した。臨床試験を行い、実用性・有用性を確認した。4では骨癒合強度診断の適応部位を拡大するため、小型プローブを試作した。診断装置の自動荷重装置を開発し、精度・再現性を評価し、臨床試験を実施した。
結論
高精度・強固な骨接合・最小侵襲を実現する骨接合ができれば、良好な整復により、確実かつ早期の骨癒合、早期の荷重歩行・早期の運動療法・早期離床、インプラントへの負荷軽減が可能である。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-