と畜・食鳥処理場におけるHACCP検証方法の確立と食鳥処理工程の高度衛生管理に関する研究

文献情報

文献番号
202024034A
報告書区分
総括
研究課題名
と畜・食鳥処理場におけるHACCP検証方法の確立と食鳥処理工程の高度衛生管理に関する研究
課題番号
20KA1002
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
朝倉 宏(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
研究分担者(所属機関)
  • 森田 幸雄(麻布大学 獣医学部)
  • 中馬 猛久(鹿児島大学 共同獣医学部)
  • 小関 成樹(北海道大学大学院)
  • 山崎 栄樹(国立大学法人 帯広畜産大学 畜産衛生学研究部門)
  • 廣井 豊子(帯広畜産大学 畜産衛生学研究部門)
  • 大屋 賢司(国立医薬品食品衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
18,947,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成30年の「食品衛生法の一部を改正する法律」の公布に伴い、と畜場・食鳥処理場については「HACCP に基づく衛生管理」が求められることとなり、1年間の猶予期間を含みつつ令和2年度に施行予定となっている。同体制は事業者が行う内部検証に加え、自治体等が行う外部検証も要件とされる。本研究では、国内全てのと畜場・食鳥処理場において衛生管理システムが適切に構築されていることを検証する手法を構築し、国産食肉・食鳥肉の更なる安全性確保の向上を図ることを目的として本年度より検討を開始した。
研究方法
本研究では、(1)と畜場のHACCP外部検証に関する研究、(2)食鳥処理場のHACCP外部検証に関する研究、(3)生食用食鳥肉製造加工における高度衛生管理に関する研究、(4)HACCP検証解析手法に関する研究、(5)国際動向を踏まえた情報の情報整理に関する研究、(6)と畜場・食鳥処理場の内部検証に関する研究、を分担研究項目として立て、それぞれが協調しつつ検討にあたることとした。
結果と考察
(1)では、先行班で設定された外部検証用微生物試験に係る実効性を複数のと畜場で牛と体を対象として検討した。また、一部のと畜場では腸管出血性大腸菌O157等の病原微生物検出状況に関する検討を開始した。加えて、羊及び山羊と体を対象とした外部検証用微生物試験にあたっては、牛・豚と同様に胸部が採材部位として適切であることを示す知見を収集できた。(2)では、先行班で設定された外部検証用微生物試験に係る実効性を複数の食鳥処理場で特に成鶏とたいを対象に検討し、特にこれ迄に十分には蓄積されていない成鶏と体のデータ集積を図った。また、成鶏と体を取り扱う2施設でカンピロバクター定量試験を並行実施し、対象とした成鶏(採卵鶏)とたいにおけるカンピロバクター汚染分布は概ね低い状況にあることが確認された。(3)では、南九州地方で製造加工される生食用食鳥肉製品230検体を対象に衛生指標菌検出試験を実施し、多くの施設では衛生的な製造加工が行われている実態を把握すると共に、一部で糞便汚染指標菌を認めた施設で今後検討が必要と思われる工程管理事項の抽出と考察を行った。(4)では、検査データの傾向を分析するmoving window方式により年間を通じたサンプリングプランの設定を行い、検証することが妥当であると考えられた。また、ターゲットとする危害要因の年間を通じたベースラインデータの創出が必要であると結論付けた。(5)では、HACCP方式での衛生管理を実施している国が少なくとも15か国ある状況を把握すると共に、主要国の微生物試験、特に採材方法に着目し、各国の情報収集・整理を行った。(6)では、大手食肉事業者の協力を得て、特に牛とたいを対象とした内部検証実施状況に関する情報を収集・整理し、自治体等による外部検証活動を通じ、内部検証で求められる記録様式の作成支援を行うべき箇所を抽出した。
結論
令和3年6月より本格施行されるHACCPに沿った衛生管理の中、特にと畜場や大規模食鳥処理場ではHACCPの考え方に基づく衛生管理が求められている。本研究で得られた成果は、その円滑な導入・運用に向け活用されることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2021-10-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
総括研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
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分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2021-10-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202024034Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
22,205,000円
(2)補助金確定額
22,205,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 12,943,793円
人件費・謝金 3,277,735円
旅費 394,748円
その他 2,330,724円
間接経費 3,258,000円
合計 22,205,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2022-07-01
更新日
-