国際的な防爆規制に対する整合性確保のための調査研究

文献情報

文献番号
202023014A
報告書区分
総括
研究課題名
国際的な防爆規制に対する整合性確保のための調査研究
課題番号
20JA1002
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
大塚 輝人(独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所 化学安全研究グループ)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
8,710,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
製造現場に最新の無線LANカメラ、ネットワークカメラ、無線通信機器などの IoT 機器が導入できるように、労働安全衛生法に基づく防爆規制において国際標準を取り入れることが求められている現状にある。研究担当者等は、これまで危険箇所の判定についての調査研究を行っており、その知見に基づき、新たな手法を導入することによって防爆性能を確保する方法について、防爆構造規格、防爆規制に関わる通達への適用可能性に係る次事項に関わる提言をまとめる。

1. ガス検知機とインターロックの利用による EPL(防爆性能)評価・運用方法
2. IECEx スキームにおける認証の信頼性確保方法
3. 検定制度によらない安全確保措置と我が国での適用可能性に係る提言
4. 新たな手法による防爆性能の評価方法と提言
研究方法
文献調査、有識者からのヒアリング、および有識者委員会による検討。
結果と考察
 我が国における検定試験に対応するIECExスキームにおける認証試験の報告書(ExTR)の信頼性関連して、国内検定における立ち合い試験への遠隔監視システムどうにゅうについて、有識者による委員会を立ち上げ検討を行った。この取り組みは、国内検定制度におけるCOVID19対応でもあり、令和2年度優先的に取り組むこととし、提言を作成した。
 COVID19を受けて海外調査が難しくなったことから、国内プラントにおけるIoT機器導入と要望に関してヒアリングを行った。また、諸外国の防爆規制の状況を整理することで、第二類危険箇所でインターロックを利用するとした場合で、機能安全の考え方に立脚して、確保すべきSafety Integrity Levelを検討した。
 国内未導入の防爆規格である、砂詰め防爆構造について、最新IEC60079-5:2015を翻訳し、導入についての検討を開始した。(4の成果) (大塚、遠藤)
 研究項目4の検定制度によらない安全確保措置と我が国での適用可能性に係る提言については、IECでの検討自体がCOVID19によって停滞している。PEP(portable or personal electrical product)として定義されることで電子機器を危険箇所へ導入することを可能とする基準案PNW TS 31J-300が、IECの提案されているため、その確認と元規格である米国UL121203の入手翻訳を行った。ただし、UL121203は2nd Editionへの更新手続き中であり、その更新案も入手した。このUL121203 2nd EditionではPEPはNRTL規格品が利用できない場合に限られるとの文言が追加されており、このNRTL規格品は日本国内では防爆検定品に該当するものであり、一般の電気機械器具の利用を制限する方向への改訂となっている。
結論
1ガス検知機とインターロックの利用による EPL(防爆性能)評価・運用方法
 利用に関してのニーズは存在するものの、定量的リスク評価に至っていないため、安全性の比較ができていない。機能安全の考え方に基づいて、換気に関して換気有効度の概念を定量化するとともに、そのレベルに応じたSILを選ぶことで同等の安全性を確保しつつ、利用できる可能性はある。
 
2IECEx スキームにおける認証の信頼性確保方法
 新規検定における遠隔監視による立会試験として、IECExに準じた試験が可能であるよう提言を行った。またExTRについての考察を行い、我が国で受け入れ可能となる条件について整理した。

3検定制度によらない安全確保措置と我が国での適用可能性に係る提言
 現在IEC TC-31で議論されている、PEPについての情報を入手し検討した。現状リスクの担い手に関しての情報が不明であり、我が国での導入は時期尚早である。

4新たな手法による防爆性能の評価方法と提言
 ドローン等、高高度での運用に対応するための試験方法について検討を行った。また、我が国で未導入である砂詰め防爆に関する情報を整理した。

公開日・更新日

公開日
2022-05-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2022-05-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202023014Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
11,323,000円
(2)補助金確定額
9,978,000円
差引額 [(1)-(2)]
1,345,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,713,828円
人件費・謝金 1,534,253円
旅費 55,654円
その他 2,062,203円
間接経費 2,613,000円
合計 9,978,938円

備考

備考
COVID-19により、予定していた外国旅費が利用できなかったため。

公開日・更新日

公開日
2022-03-14
更新日
-