ヒト免疫機構を構築した新規「ヒト化マウス」を用いたエイズワクチン・治療薬評価系の開発

文献情報

文献番号
200808017A
報告書区分
総括
研究課題名
ヒト免疫機構を構築した新規「ヒト化マウス」を用いたエイズワクチン・治療薬評価系の開発
課題番号
H19-政策創薬・一般-008
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
田中 勇悦(国立大学法人琉球大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 山本直樹(国立感染症研究所 エイズ研究センター)
  • 小柳義夫(国立大学法人京都大学 ウイルス研究所)
  • 伊藤守((財)実験動物中央研究所 )
  • 藤田次郎(国立大学法人琉球大学 医学部)
  • 大隈和(国立感染症研究所 血液・安全性研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(政策創薬総合研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ヒト免疫担当細胞を移植・生着させた免疫不全マウスである“ヒト化マウス”をHIV-1個体感染実験モデルとして、我が国のエイズワクチンや予防治療薬候補の効果の評価系として開発・普及させることを目的に班研究を行なった。
研究方法
使用動物は以下の4系統の免疫不全マウスである。BALB/cA-Rag2-/-γc-/-マウス(BRGマウスと略)、NOGマウス、BRGマウスにヒトIL-4遺伝子を導入したマウス(IL-4 BRG)NOGマウスにヒトIL-4遺伝子を導入したマウス (IL-4 NOG)。移植したヒト細胞は、健康人の末梢血単核球(PBMC)および樹状細胞(DC)、またはヒト臍帯血由来のCD34陽性造血幹細胞(hCD34)である。PBMC-ヒト化マウスでは、ヒトの樹状細胞をマウスの脾臓に移植することで免疫応答を誘導した。NOGマウスに造血幹細胞を移植するルートは2通りであり、新生児NOGマウスの肝臓内接種、もう一つは成獣の静脈内接種である。感染に用いたHIV-1はクロン化されたHIV-1であり、CCR5指向性JR-CSFやJR-FLおよびCXCR4指向性NL4-3やIIIB株を用いた。
結果と考察
ヒト化マウス評価・実験系の応用範囲の拡張の可能性の検討と、新規マウスの作製と評価に関する研究を行った。具体的には、(1)ヒト樹状細胞(DC)の新たな分化誘導法とそのワクチン増強効果、(2)制御性T細胞の人為的コントロールのHIV-1感染への影響、(3)ヒト造血幹細胞移植マウスの新たな応用展開、(4)ヒト化マウス体内でのHIV産生細胞の同定、(5)新たなエイズ治療戦略しての組み換えVSVの調製とヒト化マウスでの評価、(6)ヒトIL-4を分泌する高度免疫不全マウス作出とそのHIV-1感染実験への応用、(7)未治療HIV-1感染者からの野生HIV-1株の分離とHCV重感染対策への治療法の新たな試みなど、オリジナリティのある内容の研究を行った。来年度は、動物とプロトコルの改良、モデル全体の簡素化を図り、実用性の高い研究へと飛躍したい。
結論
世界でも最高レベルの免疫不全マウス体内にヒトPBMCあるいはCD34陽性ヒト造血幹細胞を移植したヒト化マウスを用いたHIV-1感染モデル動物の作製法と応用法の改善、同時に普及化と鋭敏化に挑戦した。これらのマウスを用途別に使い分けることによって、HIV薬剤やワクチンの短期あるいは長期の詳しい評価の可能性が示唆された。

公開日・更新日

公開日
2011-05-27
更新日
-