文献情報
文献番号
202022014A
報告書区分
総括
研究課題名
新規及び既存の放射線診療に対応する放射線防護の基準策定のための研究
課題番号
19IA1004
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
細野 眞(近畿大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 山口 一郎(国立保健医療科学院 生活環境研究部)
- 高橋 健夫(埼玉医科大学 医学部)
- 赤羽 正章(国際医療福祉大学 医学部)
- 東 達也(量子科学技術研究開発機構 量子医学・医療部門 放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部)
- 松原 孝祐(金沢大学 医薬保健研究域 保健学系 量子医療技術学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
3,462,000円
研究者交替、所属機関変更
特記事項ございません
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、放射線診療が国民の健康と命に大きな利益をもたらしている一方で、高度化・複雑化している現状に即して、新規および既存の放射線診療を安全かつ有効に実施するための放射線防護の基準や指針を明確に示すことを目的とする。
研究方法
分担課題ごとに放射線医療手法の詳細や放射線診療の実態について調査し、また事例に応じて実測や計算によって線量を評価するなどデータを取得して、それらの分析・取りまとめを行い、求められる指針や基準の案を作成し、また、放射線診療従事者に対する研修コンテンツ等を作成した。検討した主な分担課題は以下の通りである。
1-1 アスタチン化ナトリウム([211At]NaAt)注射液を用いた分化型甲状腺がん治療における治験適正使用マニュアル案の作成
1-2 ルテチウム-177標識ソマトスタチンアナログ(Lu-177-DOTA-TATE)注射液の適正使用に関する検討
1-3 アクチニウム-225 標識抗 ヒトカリクレイン2抗体注射液の治験における適正使用に関する検討
1-4 医療に用いられるTh-227に関する海外の規制状況の調査
2 医療放射線防護の国内実態に関する研究:粒子線治療施設での位置決め用X線CT装置の利用における安全の確保、高性能化に対応したX線CT装置の遮蔽評価法の開発、自治体による医療機関支援のあり方
3 放射線治療における放射線防護の基準作成:放射線治療における基準線量計の校正のあり方等
4 放射線診断・IVRにおける放射線防護の基準策定:水晶体等価線量限度引き下げに対応した眼と防護メガネの間の空間線量分布のファントムを用いた測定
5 アスタチン-211(211At)標識MABG療法:転移性悪性褐色細胞腫に対する新規核医学治療(RI内用療法)における治験適正使用マニュアル案の作成
6 放射線診療従事者等に対する研修プログラムの作成:診療用放射線の安全利用のための研修に用いるための研修動画および研修用サンプルスライドの作成。
1-1 アスタチン化ナトリウム([211At]NaAt)注射液を用いた分化型甲状腺がん治療における治験適正使用マニュアル案の作成
1-2 ルテチウム-177標識ソマトスタチンアナログ(Lu-177-DOTA-TATE)注射液の適正使用に関する検討
1-3 アクチニウム-225 標識抗 ヒトカリクレイン2抗体注射液の治験における適正使用に関する検討
1-4 医療に用いられるTh-227に関する海外の規制状況の調査
2 医療放射線防護の国内実態に関する研究:粒子線治療施設での位置決め用X線CT装置の利用における安全の確保、高性能化に対応したX線CT装置の遮蔽評価法の開発、自治体による医療機関支援のあり方
3 放射線治療における放射線防護の基準作成:放射線治療における基準線量計の校正のあり方等
4 放射線診断・IVRにおける放射線防護の基準策定:水晶体等価線量限度引き下げに対応した眼と防護メガネの間の空間線量分布のファントムを用いた測定
5 アスタチン-211(211At)標識MABG療法:転移性悪性褐色細胞腫に対する新規核医学治療(RI内用療法)における治験適正使用マニュアル案の作成
6 放射線診療従事者等に対する研修プログラムの作成:診療用放射線の安全利用のための研修に用いるための研修動画および研修用サンプルスライドの作成。
結果と考察
アルファ核種を含めたRI内用療法の退出基準と適正使用マニュアル、行政機関に相談される事例を中心とした放射線診療の国内実態の諸課題、放射線治療における線量計の校正、IVR従事者の水晶体線量の低減、などの課題について基準・指針を検討し、多職種の放射線診療従事者に対する研修プログラムとコンテンツを作成・公開した。
結論
最先端の放射線診療を開発し推進するために、あるいは既存の放射線診療に対応するために、放射線防護の枠組みの整備に向けて本研究班で種々の専門家が多角的な視点から検討したことは極めて意義が大きい。新しい放射線診療も既存の放射線診療も、放射線防護の原則や科学的エビデンスに基づいて基準や指針を作成するという点では違いは全く無いとも言えるであろう。
公開日・更新日
公開日
2022-04-01
更新日
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