マイクロ・ナノテクノロジーを用いた細胞組織構築のための培養皿の開発

文献情報

文献番号
200806015A
報告書区分
総括
研究課題名
マイクロ・ナノテクノロジーを用いた細胞組織構築のための培養皿の開発
課題番号
H20-再生・若手-010
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
福田 淳二(筑波大学 数理物質科学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 﨑山 亮一(東京女子医科大学 臨床工学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 再生医療実用化研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
4,870,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、金表面に金-チオール結合により化学吸着した細胞接着オリゴペプチドが電位印加により還元脱離する現象に着目し、培養皿から細胞シートや細胞組織を非侵襲的かつ素早く脱離する技術の確立に取り組む。
研究方法
両末端にシステイン、中央にRGD配列を持つオリゴペプチドを合成した。そして、両末端のシステインのチオール基を介して金と結合した。このオリゴペプチドで修飾した金表面上へ細胞を播種し、負の電位を印加するとともに、表面から脱離した細胞数を計数した。またこの手法を細胞シートの作製にも応用した。
結果と考察
オリゴペプチド修飾金基板上に播種した細胞は、容易に表面に接着・伸展した。そして、電位印加によって接着細胞の脱離が可能か評価したところ、電位印加5分後には90%以上の細胞が表面から脱離可能であることが明らかとなった。この結果を温度応答性ポリマー上における細胞脱離の報告と比べると、5分の1から10分の1の脱離時間であった。細胞シートなどを細胞への影響を抑えながら素早く積層化していく場合に、この事実は重要であると考えている。次に、ペプチド結合基板上で細胞を培養し、二次元的に結合した心筋や繊維芽細胞の単層細胞シートを作製し、さらにそのシートを別の基板上で形成した細胞シートに重ね、2層を結合させた後、基板に電位を印加し、2層の積層シートを回収した。この操作を繰り返すことにより多層化細胞シートを作製可能であることが示された。ただし、細胞シートのサイズが大きくなるほど、シートの脱離に要する時間が長くなったことから、電位を均一に印加する工夫が必要であることも明らかとなった。
結論
オリゴペプチドを用いた細胞脱離技術を確立した。本手法は、心筋細胞や繊維芽細胞シートの積層化に利用可能であることが示された。

公開日・更新日

公開日
2011-05-27
更新日
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