現状の障害認定基準の課題の整理ならびに次期全国在宅障害児・者等実態調査の検討のための調査研究

文献情報

文献番号
202018025A
報告書区分
総括
研究課題名
現状の障害認定基準の課題の整理ならびに次期全国在宅障害児・者等実態調査の検討のための調査研究
課題番号
20GC2001
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
飛松 好子(国立障害者リハビリテーションセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 岩谷 力(長野保健医療大学 保健科学部)
  • 江藤 文夫(国立障害者リハビリテーションセンター)
  • 伊藤 利之(横浜市リハビリテーション事業団)
  • 北村 弥生(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 障害福祉研究部)
  • 今橋 久美子(藤田 久美子)(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 脳機能系障害研究部)
  • 清野 絵(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 障害福祉研究部)
  • 森尾 友宏(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 発生発達病態学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
14,544,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、身体障害認定制度の国内外の現状と課題を明らかにする。具体的には、これまでに実施された個々の身体障害者認定基準の見直しを体系的に整理し、今後の身体障害者認定基準見直しのあり方を明らかにすることを目的とする。また、身体障害者認定基準の見直しの根拠となる障害福祉データの利活用を推進する。障害福祉制度および障害福祉データについても国内外の動向を把握も併せて行う。
研究方法
本研究は、1)身体障害者認定基準および障害福祉制度に関する研究と、2)障害福祉データに関する研究の2つから成る。
1)身体障害者認定基準および障害福祉制度に関する研究
原発性免疫不全症候群の機能制限と医学的指標の関係に関する研究:原発性免疫不全症候群(以下、PID)患者の実態を把握し、生活機能制限と医学的指標の関係を明らかにすることを目的として、平成30年度に、東京医科歯科大学に入院・通院するPID患者(児)に対して、担当医を介して質問紙法による調査を実施した。しかし、対象者の対象者の診断種別と年齢は全国調査(2011)の結果と異なっていた。また、患者の「生活の困難」は予想よりも少なく回答された。そこで、令和2年度は、調査機関を増やし、5機関における調査を実施した。また、平成30年度の調査では、患者の「生活の困難」が予想よりも少なく回答されたために、調査票を一部修正した。すなわち、①治療日数に「自宅での安静日を含む」を追加、②「生活の困難」の選択肢に4つの注を追加して具体的に説明した、③機能制限を直接に測定するバーセルインデックスを追加した。
2)障害福祉データに関する研究
 次期全国在宅障害児・者等実態調査の検討のためのプレ調査:厚生労働省が次期に行う全国在宅障害児・者等実態調査に向けて、モデル地域(長野県飯山市)において、プレ調査を試行し、調査方法、調査票の設計、項目設定等について課題を明らかにすることを目的として、障害者手帳所持者1,221名(身体867名、療育154名、精神200名)に無記名調査票を郵送した。
結果と考察
1)PIDの診断のある患(児)者合計79名の回答を得た。対象者についてPIDによる生活機能制限があると医師が判断した者は、重症度第一段階1名(1.3%)、第二段階1名(1.3%)、第三段階2名(2.5%)、第四段階13名(16.5%)、生活機能制限なし57名(72.2%)であった。
PIDによる生活機能制限があると医師が判断した患者は全体の3割未満であり、推定患者数は1,000人前後と考えられた。しかしながら、症状選択数や異常検査値数から客観的に生活機能制限を評価することが困難であることが判明した。これはPIDが400疾患以上あり、個々の疾患の特徴が異なるためと考えられる。特に検査値はPIDの種類によって異常値の現われ方が異なる。食細胞機能異常症や液性免疫不全症といったカテゴリー別に評価方法を構築することも必要かもしれない。
2)プレ調査では589名(48.2%)から回答を得て、全設問の有効回答率・誤答および障害種別回答率を算出した。有効回答率を上げ、誤答を減らすための対策としては「対象が限定される設問については、対象を明確に記載する」「設問に該当しない場合、選択肢をすべて読まずに次に進む可能性が考えられるため、非該当の選択肢を最初にする」「はじめて障害として認定された年齢については、回答者が計算しなくても済むよう、手帳に記載された発行年を転記してもらう」等が考えられる。
結論
1)PIDにおいて生活機能制限を有する患者が少なからず存在することが明らかとなったが、客観的評価方法の作成にあたってはさらなる工夫が必要と考えられる。
2)有効回答率が相対的に低い設問や誤答の多い設問については表現や選択肢の改善案を示した。一方で、現在利用しているサービス種類や収入・税の状況等は現行の方法では全体の捕捉が困難であることが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2021-09-17
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2021-09-17
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202018025Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
14,544,000円
(2)補助金確定額
14,544,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 4,440,446円
人件費・謝金 2,585,410円
旅費 60,600円
その他 7,457,557円
間接経費 0円
合計 14,544,013円

備考

備考
直接経費のうち、その他の実支出額が13円超過したため。

公開日・更新日

公開日
2024-03-26
更新日
-