エビデンスを踏まえた効果的な介護予防の実施に資する介護予防マニュアルの改訂のための研究

文献情報

文献番号
202016005A
報告書区分
総括
研究課題名
エビデンスを踏まえた効果的な介護予防の実施に資する介護予防マニュアルの改訂のための研究
課題番号
19GA1001
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
福田 治久(九州大学 大学院医学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 小野 玲(神戸大学大学院保健学研究科)
  • 清原 康介(大妻女子大学 家政学部 食物学科)
  • 石崎 達郎(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 東京都健康長寿医療センター研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学政策研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
2,973,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は,自治体が実施している介護予防プログラムの有効性および経済性に関するエビデンスを明らかにし,科学的な介護予防事業の推進に向けたエビデンスを確立することである.2年計画の2年目である2020年度においてはLIFE Studyに参加している18自治体から介護予防事業参加者データを取得し,医療レセプトデータ・介護レセプトデータと連結し,介護予防事業の有効性を明らかにすることである.
研究方法
自治体の協力を得て,「介護予防普及啓発事業」,「地域介護予防活動支援事業」,「地域リハビリテーション活動支援事業」,「通所型サービスC」,「訪問型サービスC」などの52の介護予防事業の参加者データを収集し,①事業参加後の介護認定率および②事業参加後の総医療費に対する有効性を検証した.
結果と考察
傾向スコアマッチングを用いた検証の結果,52事業中22事業において有効性評価を実施可能であった.22事業中16事業は統計学的に有意な関連性を認めなかった.介護予防事業参加群において介護認定率および総医療費が低い事業は5事業のみであった.
介護予防事業の有効性検証には数多くの限界点を有することから,今後,LIFE Studyの研究基盤を活用し,研究デザインを工夫したさらなる検証が求められる.
結論
LIFE Studyに参加した18自治体中12自治体から介護予防事業の参加者情報を収集し,52の介護予防事業の有効性について検証した.その結果,5事業のみにおいて有効性を確認することができた.介護予防事業の有効性検証には数多くの限界点を有することから,今後,LIFE Studyの研究基盤を活用し,研究デザインを工夫したさらなる検証が求められる.

公開日・更新日

公開日
2021-06-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202016005B
報告書区分
総合
研究課題名
エビデンスを踏まえた効果的な介護予防の実施に資する介護予防マニュアルの改訂のための研究
課題番号
19GA1001
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
福田 治久(九州大学 大学院医学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 小野 玲(神戸大学大学院保健学研究科)
  • 清原 康介(大妻女子大学 家政学部 食物学科)
  • 石崎 達郎(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 東京都健康長寿医療センター研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学政策研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は,自治体が実施している介護予防プログラムの有効性および経済性に関するエビデンスを明らかにし,科学的な介護予防事業の推進に向けたエビデンスを確立することである.
研究方法
2年間の研究期間中に18自治体から研究協力を得て,国保加入者・後期高齢者・生活保護受給者の,①医療レセプト,②介護レセプト,③介護認定調査票,④特定健診・保健指導情報,⑤住民台帳情報,⑥所得情報,⑦介護予防事業参加者リストを,住民単位でリンケージし,個人情報を削除したデータベース(LIFE DB)を構築した.⑦介護予防事業参加者リストには,「介護予防普及啓発事業」,「地域介護予防活動支援事業」,「地域リハビリテーション活動支援事業」,「通所型サービスC」,「訪問型サービスC」などの52の介護予防事業の参加者データが含まれている.これらLIFE DBを用いて,①事業参加後の介護認定率および②事業参加後の総医療費に対する有効性を検証した.
結果と考察
傾向スコアマッチングを用いた検証の結果,52事業中22事業において有効性評価を実施可能であった.22事業中16事業は統計学的に有意な関連性を認めなかった.介護予防事業参加群において介護認定率および総医療費が低い事業は5事業のみであった.
LIFE Studyでは2年間の研究期間において18自治体からデータベースを構築し,介護予防事業参加者リストを医療・介護レセプトデータと突合可能なプラットフォームを構築することができた.本邦においては,これまで単一自治体を対象にした研究が多数実施されてきたなかで,多地域を対象に検証可能な基盤を構築できたことは今後の本邦における科学的な介護予防事業の展開に向けた大きな成果をあげることができた.介護予防事業の有効性検証には数多くの限界点を有することから,今後,LIFE Studyの研究基盤を活用し,研究デザインを工夫したさらなる検証が求められる.
結論
LIFE Studyに参加した18自治体中12自治体から介護予防事業の参加者情報を収集し,52の介護予防事業の有効性について検証した.その結果,5事業のみにおいて有効性を確認することができた.介護予防事業の有効性検証には数多くの限界点を有することから,今後,LIFE Studyの研究基盤を活用し,研究デザインを工夫したさらなる検証が求められる.

公開日・更新日

公開日
2021-06-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202016005C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究(LIFE Studyという)では18自治体と個別に契約を締結し,自治体が保有する医療・介護・保健・行政データを住民単位で統合し,コホート追跡評価が可能な研究基盤を構築することができた.本課題において,2014年度以降からのデータを使用し,介護予防事業の有効性を評価することが可能になった.今後も本基盤を活用することで,自治体が実施する各種事業の中長期的な効果検証を実施することができる.
臨床的観点からの成果
本研究において構築したデータベース(LIFE DBという)を活用することで,アルツハイマー型認知症の医療費,アルツハイマー型認知症の死亡率,COPD患者の重症化率などの研究成果をあげることができた.18自治体という大規模なデータベースを構築し,症例単位で予後を追跡可能なデータベースを活用することで,今後の臨床疫学研究に多大な貢献をもたらすことが期待される.
ガイドライン等の開発
該当なし
その他行政的観点からの成果
該当なし
その他のインパクト
該当なし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
1件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
3件
学会発表(国際学会等)
6件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2021-06-02
更新日
2023-05-29

収支報告書

文献番号
202016005Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,805,000円
(2)補助金確定額
3,805,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,167,453円
人件費・謝金 0円
旅費 128,290円
その他 1,677,485円
間接経費 832,000円
合計 3,805,228円

備考

備考
当該課題の研究のために必要な消耗品を購入する予定であった。予算が不足していたため、自己財源より補填し購入した。

公開日・更新日

公開日
2021-06-02
更新日
-