生活保護受給有子世帯の生活実態と養育・教育支援および就労支援方策に関する研究

文献情報

文献番号
200801020A
報告書区分
総括
研究課題名
生活保護受給有子世帯の生活実態と養育・教育支援および就労支援方策に関する研究
課題番号
H19-政策・一般-020
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
岡部 卓(首都大学東京 都市教養学部 人文・社会系 社会学コース 社会福祉学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 副田 あけみ(首都大学東京 都市教養学部 人文・社会系 社会学コース 社会福祉学分野)
  • 矢嶋 里絵(首都大学東京 都市教養学部 人文・社会系 社会学コース 社会福祉学分野)
  • 稲葉 昭英(首都大学東京 都市教養学部 人文・社会系 社会学コース 社会福祉学分野)
  • 和気 純子(首都大学東京 都市教養学部 人文・社会系 社会学コース 社会福祉学分野)
  • 堀江 孝司(首都大学東京 都市教養学部 人文・社会系 社会学コース 社会福祉学分野)
  • 槇野 葉月(首都大学東京 都市教養学部 人文・社会系 社会学コース 社会福祉学分野)
  • 姜 恩和(首都大学東京 都市教養学部 人文・社会系 社会学コース 社会福祉学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
2,179,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本年度は生活保護受給有子世帯に対するソーシャルワーク実践について、教育支援の実態・効果・課題の提示、高齢者の就労支援を取り巻く状況・課題や就労支援プロセス・方法の提示を行なう。次に生活保護受給有子世帯に対してどのような政策がとられているのかについて、貧困の再生産・固定化を福祉国家論の視点から論じると共に、ひとり親世帯の所得保障の一環としての児童扶養手当制度の検証を行なう。さらに生活保護自立支援プログラムを先進的に取り組んでいる自治体で実施した各種プログラムの評価を行なう。
研究方法
本年度も、研究班による月1回程度の定例会議を10回実施し、主任・分担研究者全員で実施方法や調査結果の検討等を行なった。また自治体(東京都板橋区)の職員の方々には、自立支援プログラム策定・実施・評価のための会議や打合せを5回、さらには調査票の記入等について協力を得た。
結果と考察
本年度は、生活保護有子世帯に対するソーシャルワーク実践については、生活保護における高校進学プログラムに関する調査と高齢者の能力活用の観点から、支援の考え方や支援方法について考察した。制度・政策については生活保護受給有子世帯を検討する前提として、社会保障制度における生活保護制度の位置づけを整理した。次いで、現代日本において貧困の再生産・格差の固定化が進行している現状について明らかにした上で、今後は、子どもの貧困問題をめぐる社会意識に焦点を当て、親の貧困や格差を子どもが引き継いでしまうことを防ぐ政策には、本来、人びとの支持があるはずである、としその解決方策を提示した。さらには母子世帯に対して給付される児童扶養手当制度に着目し、その制度構造の面から有効性を検討した。
結論
本年度は、生活保護有子世帯に対するソーシャルワーク実践において、対象世帯の問題状況に合わせた個別の自立支援プログラムを実施することの有効性を一定程度明らかにした。また家族全体への支援という点から高齢者の就労支援に係わる支援策も検討した。
さらに、子どもの貧困問題を巡る近年の論点を整理し、課題の解決に必要な方向性を検討した。さらに母子世帯への支援策という点で重要な児童扶養手当について制度構造の面から有効性を検討した。生活保護有子世帯への支援についてソーシャルワーク及び制度設計の面から総合的に検討し、今後の課題を抽出した。

公開日・更新日

公開日
2009-04-13
更新日
-