地域の健康危機管理を担う保健所職員等の資質向上に関する研究

文献情報

文献番号
200738015A
報告書区分
総括
研究課題名
地域の健康危機管理を担う保健所職員等の資質向上に関する研究
課題番号
H18-健危-一般-004
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 元(東京大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 内田博文(九州大学 大学院法学研究院)
  • 光石忠敬(光石法律特許事務所)
  • 角野文彦(滋賀県東近江保健所)
  • 郡山一明(救命救急九州研修所)
  • 箱崎幸也(自衛隊中央病院)
  • 田中良明(葛飾区保健所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、健康危機管理を担う保健所等の職員の資質向上を目的とした体系的研修教育プログラム作成を目的とする。危機管理の際に問題となる人権に関わる法理の整理・教育、また人権保護システムの検証・構築も合わせて課題とし、開発された教育訓練方法や研修媒体は、全国の保健所等における職員の健康危機管理訓練・研修での活用、また、健康危機管理保健所長等研修や健康危機管理支援情報システムの一部としての利用、さらに大学・専門職大学院等の教育機関で活用されることを意図する。
研究方法
初年度(平成18年度)は、(1)健康危機管理教育体系開発のための論点整理、健康危機事例、過去の訓練の方法や教材に関する情報を、既存出版物の収集、自治体へのヒアリング等を通じて収集した。また、(2)健康危機管理に関連した人権保護・救済に関与する国内外の法制度についての情報を収集し、論点・運用上の課題の整理に着手した。平成19年度は、初年度の準備(研究)を踏まえて、作製、試用を開始している教育訓練教材の開発を本格化し、実地使用を通じて内容の改訂を行った。
結果と考察
 前年に引き続き、特色を有した教材(プレゼンテーション、机上訓練、出版教材)が作成された。多様な危機への対応の基礎的な考え方や予備知識、対処の計画・実施能力を獲得するための教材、また机上訓練用の演習シナリオ教材の開発を進め複数の出版を行った。また、自治体での危機管理訓練においてこれら教材を用いて訓練・評価を行い、改良・改稿点を検討した。危機管理に関連した人権保障については、前年度に行った法理の整理を踏まえ、具体的な健康危機対応(シナリオ)に沿って生ずると考えられる問題点の洗い出し、法令の適用可能性と運用上の問題点について議論を重ね、教材作成に着手した。これらは、現段階においても、保健所・自治体職員の教育教材として有効に用いられ得る。次年度(最終年度)には、これらの成果を踏まえて、健康危機管理一般に適用可能な、更に充実した包括的教材作成を計画している。
結論
平成18-19年度においては、健康危機管理教育体系開発のための論点整理、健康危機事例、過去の実施訓練に関する情報の収集を行い、それらに基づいて危機対応のための教育訓練教材の作成を行った。また、健康危機管理に際して問題となる人権・個人情報保護・救済に関与する国内外の法制度についての情報を収集し、法理・判例を整理した。その上で、危機対応の各場面における運用上の課題整理に着手した。今後、これらを発展させて包括的な教育教材を作成する。

公開日・更新日

公開日
2008-04-14
更新日
-