公衆衛生医師等の専門的能力の構築とその向上に資する教育研修プログラムの開発に関する研究

文献情報

文献番号
200738001A
報告書区分
総括
研究課題名
公衆衛生医師等の専門的能力の構築とその向上に資する教育研修プログラムの開発に関する研究
課題番号
H17-健康-一般-011
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
曽根 智史(国立保健医療科学院公衆衛生政策部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、わが国及び諸外国における公衆衛生医師の実態(資格認定、教育研修など)を調査し、公衆衛生・地域保健の推進に必要な公衆衛生医師等の専門的能力の構造を明らかにし、その向上を目的とした研修プログラムを開発し、公衆衛生分野における専門医制度のあり方を検討することを目的とする。
研究方法
(1)公衆衛生医師等の専門的能力の構造分析
わが国の人事院、WHOや諸外国の動向に関する情報検索、文献収集を実施し、わが国の公衆衛生専門職に必要なコンピテンシーの概念について整理、検討した。
(2) 諸外国の公衆衛生専門医制度の実態調査
 イギリス、フランス、アメリカ、オーストラリア、韓国における公衆衛生専門医制度に関して、研究協力者からの情報収集、インターネットなどを用いた資料収集、文献調査などを実施した。 
(3) 公衆衛生医師(専門家)養成に関する歴史的分析
 ロックフェラー財団の支援した公衆衛生従事者養成構想の経緯とその(旧)国立公衆衛生院設立との関連を文献的に考察した。
結果と考察
(1) 公衆衛生医師等の専門的能力の構造分析
 コミュニケーション力、創造性、自己認識・統制力、自己研鑽・開発力等がコアコンピテンシーと考えられる。
(2) 諸外国の公衆衛生専門医制度の実態調査
 イギリス、フランスの公衆衛生専門医(家)制度は、教育研修の内容で優れた点が多く、資格認定と特定の職位への任用が明確に連動している。
(3) 公衆衛生医師(専門家)養成に関する歴史的分析
 米国の公衆衛生の歴史においても、わが国と同様に、公衆衛生よりも医療、実践や教育よりも研究が重視され、実践や活動が軽視される趨勢がみられた。1916年Johns Hopkins School of Hygiene and Public Healthを設置が設立され、このモデルが、(旧)国立公衆衛生院を含む世界のSPHへ波及した。20世紀初頭に成立した公衆衛生従事者養成のモデルを今後どう展開していくかという歴史的視点が必要である。
結論
(1)コミュニケーション力、創造性、自己認識・統制力、自己研鑽・開発力等が共通する公衆衛生従事者のコアコンピテンシー項目と考えられる。
(2)各国の公衆衛生専門医(家)制度は、行政形態(集権・分権)、実施主体、雇用との関連においてそれぞれ特徴がある。わが国の公衆衛生行政の特徴に合致した制度構築が求められる。
(3)20世紀初頭に成立した公衆衛生従事者養成のモデルを今後どう展開していくかという歴史的視点が必要である。

公開日・更新日

公開日
2008-06-02
更新日
-

文献情報

文献番号
200738001B
報告書区分
総合
研究課題名
公衆衛生医師等の専門的能力の構築とその向上に資する教育研修プログラムの開発に関する研究
課題番号
H17-健康-一般-011
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
曽根 智史(国立保健医療科学院公衆衛生政策部)
研究分担者(所属機関)
  • 水嶋 春朔(国立保健医療科学院人材育成部)
  • 加藤 則子(国立保健医療科学院生涯保健部)
  • 武村 真治(国立保健医療科学院公衆衛生政策部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、わが国及び諸外国における公衆衛生医師の実態(資格認定、教育研修など)を調査し、公衆衛生・地域保健の推進に必要な公衆衛生医師等の専門的能力の構造を明らかにし、その向上を目的とした研修プログラムや公衆衛生分野における専門医制度のあり方を検討することを目的とする。
研究方法
(1)公衆衛生医師等の専門的能力の構造分析
 公衆衛生医師等のコンピテンシー(実践能力、成果を上げられる人の行動特性)の体系を構築することを目指して、公衆衛生分野におけるコンピテンシーに対する認識の実態を把握し、基本的な方向性を検討した。
(2) 諸外国の公衆衛生専門医制度の実態調査
 イギリス、フランス、アメリカ、オーストラリア、韓国における公衆衛生専門医制度に関して、研究協力者からの情報収集、インターネットなどを用いた資料収集、文献調査などを実施した。(3) 公衆衛生医師(専門家)養成に関する歴史的分析
 ロックフェラー財団の支援した公衆衛生従事者養成構想の経緯とその(旧)国立公衆衛生院設立との関連を文献的に考察した。
結果と考察
(1)公衆衛生専門家のコアコンピテンシーが、コミュニケーション、個人・人々の資質の向上、健康・安全・防衛、サービス開発、質、公平・尊厳・権利の6分野で設定されている。
(2)イギリス、フランスの公衆衛生専門医(家)制度は、教育研修の内容(OJTの重視、研修生の個別性と主体性の尊重、コンピテンシーに基づいたカリキュラムと評価、研修支援体制の充実など)で優れた点が多く、資格認定と特定の職位への任用が明確に連動している。アメリカ、オーストラリア、韓国では、公衆衛生医師(専門家)に関する国レベルの公的な制度やシステムは存在しないが、各国で特徴的な取り組みが行われている。
(3)20世紀初頭の米国では、公衆衛生従事者養成システムに関する議論がロックフェラー財団を中心に行われ、研究重視モデルと行政管理・実践重視モデルの相克があった。その結果、現在のSchool of Public Healthの基本モデルが成立し、米国のみならず、日本を含め世界的に広がった。
結論
(1)コミュニケーション力、創造性、自己認識・統制力、自己研鑽・開発力等が共通する公衆衛生従事者のコアコンピテンシー項目と考えられる。
(2)各国の公衆衛生専門医(家)制度は、行政形態(集権・分権)、実施主体、雇用との関連においてそれぞれ特徴がある。わが国の公衆衛生行政の特徴に合致した制度構築が求められる。
(3)20世紀初頭に成立した公衆衛生従事者養成のモデルを今後どう展開していくかという歴史的視点が必要である。

公開日・更新日

公開日
2008-06-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-02-04
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200738001C

成果

専門的・学術的観点からの成果
(1)公衆衛生従事者のコアコンピテンシーを明らかにした。
(2)海外の公衆衛生従事者の専門職制度の詳細をまとめ、比較できるようにした。
(3)米国に発する公衆衛生従事者の教育研修モデルとわが国の研修教育体制の歴史的検討を行った。
臨床的観点からの成果
臨床研究ではないので、特になし。
ガイドライン等の開発
特になし。
その他行政的観点からの成果
(1)公衆衛生従事者の専門職制度の検討の際の参考資料となった。
(2)国立保健医療科学院での教育研修内容の検討に役立てた。
その他のインパクト
特になし。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
1件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-11-24
更新日
-