「健康な食事」の基準の再評価と基準に沿った食事の調理・選択に応じた活用支援ガイドの開発

文献情報

文献番号
202009037A
報告書区分
総括
研究課題名
「健康な食事」の基準の再評価と基準に沿った食事の調理・選択に応じた活用支援ガイドの開発
課題番号
20FA1009
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
林 芙美(学校法人香川栄養学園女子栄養大学 栄養学部 食生態学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 新開 省二(女子栄養大学 栄養学部)
  • 石原 淳子(麻布大学 生命・環境科学部 食品生命科学科)
  • 赤松 利恵(お茶の水女子大学 基幹研究院)
  • 柳沢 幸江(和洋女子大学 家政学部)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
  • 三石 誠司(宮城大学 食産業学群)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
5,070,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は,健康寿命の延伸に資する「健康な食事」の基準にそった食事の調理・選択に応じた活用支援ガイドを作成することである。具体的には,1)日本人の食事摂取基準(2020年版)に基づく「健康な食事」の基準の再評価,2)「健康な食事」の基準に沿った食事と健康アウトカム,フレイルとの関連の検討,3)「健康な食事」の基準に沿った活用支援ガイド・普及教材の開発,4)持続可能な食事の視点での基準の検討を目的に,以下の研究を実施した。
研究方法
研究1では,日本人の食事摂取基準(2020年版)及び平成30年国民健康・栄養調査結果を用いて,食品群・食品サブグループの最適値等を算出するための計算プログラムを開発し,40~49歳男性で試算を行った(横山)。研究2では,次世代コホート研究(JPHC-NEXT)のうち,FFQ妥当性研究の対象者(40~74歳男女240名)の12日間の食事記録とFFQのデータを用いて,「健康な食事」スコアの算出方法の開発とその妥当性の検証を行った(石原,他)。研究3では,高齢者を対象とした3つのコホートデータを統合した(新開,他)。研究4では,20~40歳代の単身世帯の勤労男女40名を対象に,質的研究法であるフォーカス・グループインタビューを実施した(林,他)。研究5では,「健康な食事(以下,スマートミール)」のうち,外食・中食事業者のスマートミール,計432メニューを分析し,栄養素等量,食品数,食品群数,料理数を把握した(赤松,他)。研究6では,スマートミールのうち,第4回認証時の外食メニュー64件,337料理を分析し,エネルギー量・栄養素量・野菜量に影響するメニュー・料理レベルの特性を分析した(柳沢)。研究7では,総務省「経済センサス」データおよび収集した国内外の文献および各種データをもとに,中長期的にフードシステムに影響を与えている要因について,定性的な検討を行った(三石)。
結果と考察
研究1より,40~49歳男性の食品群別摂取量の最適化値は,現在の摂取量より高めとなったが,試算された栄養素等摂取量は,全て食事摂取基準の範囲内であることが確認された。研究2より,FFQから推定した1食分の「健康な食事」スコアは,食事記録(12日平均)との対応で妥当であることが確認された。研究3では,高齢者1,092名分の統合データセットが作成された。研究4より,単身者の食QOLや食行動・食態度には調理頻度別に違いがみられ,調理する者では食QOLが高いことが示された。研究5・6より,外食等での「健康な食事」のメニュー・料理レベルでの特徴が明らかとなった。研究7より,持続可能な形で「健康な食事」を提供するには,栄養学的観点に加え,最終的に消費者に食料が届くまでの一連の流れ(サプライチェーン)に影響を与える諸要因・周辺条件を同時並行的に整備していく必要性があることが判明した。
結論
「健康な食事」の評価方法や実現方法については更なる検討が必要であるが,活用支援ガイドの作成に必要な個人の価値観やニーズ,料理・食事レベルの特徴を明らかにすることができた。

公開日・更新日

公開日
2022-03-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2022-03-25
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202009037Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
6,000,000円
(2)補助金確定額
6,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,222,821円
人件費・謝金 1,525,614円
旅費 1,388円
その他 2,320,479円
間接経費 930,000円
合計 6,000,302円

備考

備考
自己資金302円

公開日・更新日

公開日
2022-05-10
更新日
-