がん患者に対する質の高いアピアランスケアの実装に資する研究

文献情報

文献番号
202008044A
報告書区分
総括
研究課題名
がん患者に対する質の高いアピアランスケアの実装に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20EA1016
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
野澤 桂子(国立研究開発法人国立がん研究センター 中央病院 アピアランス支援センター)
研究分担者(所属機関)
  • 藤間 勝子(国立研究開発法人 国立がん研究センター中央病院 アピアランス支援センター)
  • 全田 貞幹(国立研究開発法人国立がん研究センター 東病院 放射線治療科)
  • 飯野 京子(国立看護大学校 成人看護学)
  • 清水 千佳子(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター がん総合診療センター / 乳腺腫瘍内科)
  • 島津 太一(国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究部)
  • 桜井 なおみ(キャンサー・ソリューションズ株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
9,231,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、がん患者に対する質の高いアピアランスケアを提供するために、アピアランスケアの均てん化に向けた手法と課題を整理する(研究Ⅲ・Ⅳ)ことにある。また、併せて、拠点病院における効果的かつ効率的な介入方法の実践と検証を行う(研究Ⅰ・Ⅱ)。そして、最終的には、医療者から始まる、より具体的な地域連携・院内連携も含めたアピアランスケアの提供体制モデルを提案することを目指している。
本研究は、第3期がん対策基本計画の課題の一つである「医療者を対象としたアピアランス支援研修の開催」に直接貢献するのみならず、がん患者が尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築に資するものである。より具体的には、3年間で主たる研究Ⅰと副次的な研究Ⅱ・Ⅲ・Ⅳを行う。
研究方法
第1は、提供モデルの中核となる医療者教育体制の構築のための「アピアランスケアに関するe-learning研修が医療者に与える効果と患者への影響」(研究Ⅰ)である。
1年目は、前年までに制作したコンテンツを実装に向けさらに改良し動画コンテンツとして完成させるとともに、その効果を検証するためのプロトコルの検討を行い、倫理審査に向けた準備を行う。2年目は施設での介入研究,3年目は解析・学会発表を行う。介入研究は、アピアランスケアについて組織的な導入がされていない病院の医療者(100名)を対象に,ウエイティング・リスト・コントロール・デザインを用いたランダム化比較試験による研修効果の検証である。
第2は、質の高いアピアランスケアの提供の基盤となる情報について,エビデンスの見直しを行うために、「Minds診療ガイドライン作成マニュアル」2017年版に則り、「アピアランスケアガイドライン2021年版」を作成する。7学会から推薦された各分野の専門家及びがん患者代表を含む45名でガイドライン委員会を構成し、日本がんサポーティブケア学会アピアランスケアWGとして行う。手続きは、①項目作成、②スコープ作成、③システマティックレビュー、④推奨作成、⑤外部評価、⑥パブリックコメントの募集である。
第3は、「院内・地域連携モデルの提案に向けた患者による外見ケア時の課題研究」(研究Ⅳ)を行い、医療者のみならず医療者以外の職種(理美容師等)から、患者が提供されたアピアランスケア関連の情報やサービス、コミュニケーション上の課題などについて調査する。
結果と考察
研究Ⅰに関しては、まず、パワーポイントベースで研究者が作成したe-learning教材の学習効果を向上させるために、内容・操作性を見直し、M4動画として完成させた。プログラムは,概論・薬物療法(脱毛編・皮膚障害編)・手術療法・放射線療法の5編で構成され、それぞれが専門性に応じて3段階に分かれている。次に、2年目の教育介入研究に向けてプロトコルを作成し、国立がん研究センター倫理委員会に申請した。ただし、COVID-19感染拡大の状況により、患者向け調査実施は困難であると判断し、医療者のみを対象とした。なお、この介入研究により得られる結果と、2年目に着手予定の研究Ⅱ(医療機関内にアピアランスケアを導入する際の阻害・促進要因の検討)と合わせて検討することにより、今後の医療者教育のあり方やその導入・展開方法についての基盤作が形成される。
研究Ⅲに関しては、「アピアランスケアガイドライン2021年版(案)」を作成した。その内容は、化学療法・分子標的治療・放射線治療・日常整容の4領域の基本事項やトピックからなる「総説」のほか、重要臨床課題に対する「BQ」14項目、「CQ」10項目、「FQ」19項目の全43項目からなるガイドラインである。現在パブリックコメントの募集中である。
研究Ⅳに関しては、1034名から回答があった。この回答については、外見をケアすることの患者への負担感の存在や、医療者ではない理美容専門家への期待などが示されている。今後は、病院施設の規模や地域差なども踏まえた分析をすることにより、院内・地域連携も含めたアピアランアの提供体制モデルの構築に反映される。
結論
本年は、がん患者に対する質の高いアピアランスケアを提供するために,①アピアランスケアガイドライン(案)を作成し、基盤となる情報のエビデンスを整理した(研究Ⅲ)。また、②患者を対象としたインターネット調査を実施し、より効果的な提供体制モデルを提案するための解析を進めている(研究Ⅳ)。
今後、アピアランスケア提供モデルの中核となる医療者教育を実施し、③その介入効果の検証(研究Ⅰ)や均てん化に向けた課題を明らかにする(研究Ⅱ)。

公開日・更新日

公開日
2021-06-16
更新日
2024-06-10

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-06-16
更新日
2024-06-10

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202008044Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
12,000,000円
(2)補助金確定額
11,772,000円
差引額 [(1)-(2)]
228,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,164,813円
人件費・謝金 3,634,683円
旅費 172,084円
その他 4,031,513円
間接経費 2,769,000円
合計 11,772,093円

備考

備考
自己資金 93円

公開日・更新日

公開日
2021-06-16
更新日
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