粘膜投与等の新投与経路ワクチン研究における品質管理に関する研究

文献情報

文献番号
200735064A
報告書区分
総括
研究課題名
粘膜投与等の新投与経路ワクチン研究における品質管理に関する研究
課題番号
H19-医薬-一般-027
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
板村 繁之(国立感染症研究所ウイルス第3部)
研究分担者(所属機関)
  • 長谷川 秀樹(国立感染症研究所感染病理部)
  • 横田 恭子(国立感染症研究所免疫部)
  • 笠井 道之(国立感染症研究所血液・安全性研究部)
  • 谷本 武史((財)阪大微生物病研究会観音寺研究所 研究・技術部研究グループ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
7,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
経鼻接種による粘膜免疫を誘導する粘膜ワクチンが開発されれば、従来感染阻止のできなかった急性呼吸器感染症などに対して発病予防だけでなく感染予防や流行阻止に有効なワクチンの実現が期待される。また、新型インフルエンザに対するワクチンとしても高い有効性が期待される。本研究では、アジュバント添加不活化インフルエンザ経鼻接種粘膜ワクチンを新しい投与経路ワクチンのモデルとし、安全性が高く高品質のワクチンを製造するために必要な品質管理方法の確立を目的とする。
研究方法
初年度である本年度は、不活化インフルエンザワクチンとアジュバントとして合成二重鎖RNAを用いて製剤化を試みた。ワクチンは通常期のインフルエンザと新型インフルエンザに対する2種類のワクチンを使用して実施した。また使用したアジュバントの安全性をマウスを使用して体重減少及び病理学的に評価した。ワクチンの力価試験法を確立するために、HA蛋白に反応するモノクローナル抗体を作製しELISA法による定量法を検討した。また経鼻粘膜ワクチンの免疫原性を正しく評価するためのin vitroでの評価システムの開発をTLRアゴニスト含量を測定することで可能か検討した。
結果と考察
1)粘膜ワクチンとして製剤化する予定のアジュバント自体の安全性を確認することができた。今後製剤化された経鼻粘膜ワクチンの安全性を検証するための試験方法の開発、検討を行う計画である。
2)ワクチンの有効成分であるHA含量について定量できるELISA法を開発した。今後製剤化されたワクチンの力価としてアジュバント存在下で正確に測定できるか検討を進める予定である。
3)不活化型全粒子ワクチンの脂質成分または核酸成分に反応性のTLRsシグナル強度をNF-κBレポーターアッセイ系とそれの伴うサイトカイン産生を調べることにより、不活化の全粒子インフルエンザワクチンの免疫原性を検証できた。次年度以降、この方法が経鼻粘膜ワクチンにおいても免疫原性を評価できるのか検討を進める。
結論
新規のワクチン投与経路によるワクチンのモデルとしての経鼻粘膜ワクチンの安全性や品質管理のための試験方法の開発、検討を目的として、本年度はワクチン有効成分を測定する方法やワクチンの免疫原性を測定する方法を開発した。次年度以降、試験方法の経鼻粘膜ワクチンへの有効性について検討を加える計画である。

公開日・更新日

公開日
2009-04-03
更新日
-