インフルエンザワクチン需要予測に関する研究

文献情報

文献番号
200735063A
報告書区分
総括
研究課題名
インフルエンザワクチン需要予測に関する研究
課題番号
H19-医薬-一般-026
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
三浦 宜彦(埼玉県立大学 保健医療福祉学部)
研究分担者(所属機関)
  • 延原 弘章(高崎健康福祉大学 健康福祉学部)
  • 大日 康史(国立感染症研究所)
  • 渡辺 由美(高崎健康福祉大学 健康福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
13,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究はインフルエンザワクチンの需要量の推計方法を確立することを目的とする。
研究方法
1.医療機関等を対象とした接種状況調査
 医療機関等に対し、シーズン前(平成19年9月)に協力を依頼し、シーズン終了後(平成20年3月)に調査票の回収を行った。調査対象施設数は、(社)日本医薬品卸業連合会加盟の医薬品卸売業者が平成15年度に1本以上を供給した全国75,997施設から、都道府県を層として抽出した3,952施設とした。調査項目はワクチン購入本数、年齢・接種方法別接種人数とした。
2.住民を対象とした接種意向調査
 幼児・児童,成人,高齢者の3グループを対象としてインフルエンザワクチンの接種意向調査を行った。調査対象は調査会社とモニター契約を結んだ2750世帯である。調査項目は、平成19年度におけるワクチン接種希望と実際の接種の有無(有りの場合は自己負担額)および平成20年度のワクチン接種意向とJoint Estimationのための設問とした。
結果と考察
1.平成19年度における実際のインフルエンザワクチン使用本数は厚生労働省調べで2,257万本であり、本研究者等の昨年度の推計値は、医療機関調査で11.1~13.6%少なく、住民調査で7.8%少なかったことが明らかとなった。
2.平成19年度のインフルエンザワクチン接種率は、1歳未満23.5%、1歳以上6歳未満48.3%、6歳以上13歳未満39.2%、13歳以上65歳未満23.3%、65歳以上54.8%で、世代間格差がみられ、全体では32.6%と推定された。この接種率を平成18年度と比較すると、1~6歳以外は増加していた。
3.医療機関等を対象とした接種状況調査にもとづいて、回答医療機関等の偏りの補正、過去2シーズンの経験よる推定廃棄量の加算により、平成20年度のワクチン需要数を推計すると、約2,318万本から約2,402万本となった。
4.住民を対象とした接種意向調査から平成20年度のワクチン需要数は約2,145万本と推計された。
結論
 インフルエンザワクチンの需要動向は、新種のインフルエンザまたは類似の呼吸器感染症の流行やその恐れ、またそれらに関する報道の状況、あるいはワクチン接種に関する手続・制度等の改変によって大きく変化することを考慮すると、インフルエンザワクチン需要量の定型的な推計方法を確立するためには、長期に渡る継続した調査が必要と考える。

公開日・更新日

公開日
2008-12-24
更新日
-