植え込み型生命維持装置の不具合情報等の集積・伝達手法の確立等に関する研究

文献情報

文献番号
200735057A
報告書区分
総括
研究課題名
植え込み型生命維持装置の不具合情報等の集積・伝達手法の確立等に関する研究
課題番号
H19-医薬-一般-020
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
笠貫 宏(東京女子医科大学循環器内科)
研究分担者(所属機関)
  • 田中茂夫(医療法人 狭山中央病院)
  • 杉浦敏文(静岡大学 電子工学研究所)
  • 加納 隆(埼玉医科大学 医療保健学部)
  • 平尾見三(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科)
  • 豊島 健(日本メドトロニック株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
心臓ペースメーカ、除細動器が中心であった植込み型生命維持装置の分野では、除細動機能付き、あるいは無しの両心室同期ペースメーカなどが登場し、現在および将来にわたって、ますます複雑化していくことが予想される。これらの新たな装置は、現在未知の危険因子をはらんでいる可能性が高く、国際的規模での情報交換により、これが既知となった時点で、速やかに情報を入手し、これを適確に伝達することが不可欠となる。本研究では、このような情報入手に利用可能な情報源を特定し、情報を集積し、各事例の臨床的影響を的確に判断するとともに、速やかな情報伝達の体制および手法の確立を目指すものである。
研究方法
不具合事例発生の情報を迅速に入手できるように、インターネットで不具合情報を公開している組織を国際的な規模で検索する。また、不具合事例が発生した場合、その情報を伝達する者たちが、信頼性工学の手法を応用して、不具合を客観的、かつ科学的視野で評価できるよう、植込み型生命維持装置特有の問題の取扱い方も含めた、信頼性工学に関する教科書を作成する。さらに、不具合事例が発生した場合、専門家が該当製造販売業者の担当者を招請し、不具合の詳細を協議して、患者および患者を管理する医師たちに向け、適切な対処法を発信できるウェブサイトを構築する。
結果と考察
本研究の目的にかなった情報源として、多数の情報源を吟味した結果、PMDAの「不具合が疑われる症例報告に関する情報」、FDAのMAUDEなどが適切であると判定された。また、不具合を客観的、科学的に評価する際に、信頼性工学の誤った応用を防止するため、その手法の基礎から解説し、植込み型生命維持装置に固有な問題の扱い方を解説した教科書を完成させた。さらに、発生した不具合事例に対し、専門家と業者の不具合担当者がオンラインで詳細を協議し、患者および患者を管理する医師たちに向けに、適切な対処法を発信できるウェブサイトを構築した。
結論
植込み型生命維持装置に関する不具合発生の情報を迅速に得られる情報源が特定された。また不具合を客観、かつ科学的に評価する手法に関する教科書を完成した。また不具合事例が発生した際に、専門家と業者の不具合担当者がオンラインで詳細を協議し、患者および患者を管理する医師たちに向けに、適切な対処法を発信できるウェブサイトが構築された。

公開日・更新日

公開日
2008-04-22
更新日
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