ワクチン開発における臨床評価ガイドライン等の作成に関する研究

文献情報

文献番号
200735049A
報告書区分
総括
研究課題名
ワクチン開発における臨床評価ガイドライン等の作成に関する研究
課題番号
H19-医薬-一般-012
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
山西 弘一(独立行政法人医薬基盤研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 神谷 齊(独立行政法人国立病院機構 三重病院)
  • 井上 達(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 倉田 毅(富山県衛生研究所)
  • 川上 浩司(京都大学大学院医学研究科)
  • 山口 一成(国立感染症研究所)
  • 駒瀬 勝啓(国立感染症研究所)
  • 伊藤 澄信(独立行政法人国立病院機構 本部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 日米欧におけるワクチンの承認審査等に関する事例を調査し、ワクチンの特性を踏まえた承認審査等に有用な非臨床及び臨床評価ガイドラインを作成することにより、新興・再興感染症を克服するためのワクチン開発研究に資する科学技術基盤の強化を図る。
研究方法
 米国(FDA/CBER、NIAID、CDC等)や欧州(EMEA等)を訪問し、ワクチンの承認審査等に関する事例について研究者等と意見交換し、その根拠となった臨床・非臨床試験の内容や審査内容、更には市販後対策の状況等を基にして、関係学会やワクチン研究開発関係者の協力を得つつ、ワクチンの特性を踏まえた承認審査等に有用な非臨床及び臨床評価ガイドライン案等の作成を行う。
結果と考察
 米国ではワクチンの開発から承認に至るプロセスに大きな差は見られなかったが、NIH(NIAID)、FDA(CBER)、CDCは、その規模と内容において極めて充実しており、役割分担がワクチン開発プロセスに従って明確に区別されていた。また、開発から臨床試験、市販後の接種等についても政府関係機関以外に各種財団等による支援体制も整備されていた。一方、誰でも参加できる『米国予防接種諮問委員会(ACIP)』が定期的に開催されていて、ここでの勧告がワクチン開発に極めて大きな影響力を持っていた。生物学的製剤を扱うスタッフの数や質の向上を図り、国内における感染症の疾病負荷や医療経済学的見地に立った基盤を整備することが必要だと考えた。
結論
 わが国では、ワクチンの審査体制等の数的・質的な充実強化を図るとともに、公開で行われるACIPのような組織体制を構築することが極めて重要である。また、ワクチンの有効性、安全性の評価に必要な感染症の疾病負荷(Disease burden)や医療経済的な解析ができる基盤や大規模な臨床試験を実施できる基盤の整備がワクチン開発における臨床試験による有効性、安全性の評価にとって極めて重要であり、これらの体制を、欧米、WHO等と協調出来るような形で築くことが今後の迅速なワクチン開発に必要だと考えた。

公開日・更新日

公開日
2015-06-29
更新日
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