出生前検査に関する妊産婦等の意識調査や支援体制構築のための研究

文献情報

文献番号
202007027A
報告書区分
総括
研究課題名
出生前検査に関する妊産婦等の意識調査や支援体制構築のための研究
課題番号
20DA1010
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
白土 なほ子(内野 なほ子)(昭和大学 医学部産婦人科学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 柘植 あづみ(明治学院大学 社会学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
7,870,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
出生前遺伝学的検査について(1)社会的に理解される検査体制と(2)充実した妊婦の支援体制を構築することを目的に研究①-⑤を行っている。
研究方法
(1)研究①一般男女を対象に、社会経済的、心理的側面を含めて出生前検査に関するWeb調査を実施する。さらに、研究②妊婦及びパートナーに同様のWeb調査を実施し、一般市民と妊婦の間での出生前検査に対する意識や知識における違いを比較検討する。
(2)研究③NIPTを含めた出生前検査を行う施設で遺伝カウンセリングを受けた妊婦を対象とするアンケート調査を行い、そのカウンセリング体制についての問題点を把握する。さらに、出生前に児に問題点が検出された妊婦やパートナーに対する支援方法や支援体制の充実が重要であるという視点で、出生前検査を実施している施設に対して、研究④具体的に妊婦やパートナーに実施している支援方法についてのアンケート調査を行い、適切な支援やフォローアップ体制についての実態把握を行う。そのうえで、理想的な取り組みが行われている施設に対して実地調査を行い、実例集を作成する。加えて、研究⑤妊娠についての相談支援体制に関する諸外国の取り組みについて、Webや文献を用い調査し、わが国として取り組むべき支援方法について明確にする。
結果と考察
本年度は研究①で出生前検査に関する60問からなるWeb調査を実施した。データクリーニング後の有効回収数は3,224人(男性1090人、女性2134人)であった。男女の「出生前検査に対する気持ち」では、検査を受けることの不安や安心といった感情面、妊娠継続/中断に関する決断、費用面などの回答比率は女性の方が高かった。なた、「出生前検査はすべての妊婦に対して行った方が良いか」との質問では、男性では[全員実施]が33.1%、女性では[希望者]が47.1%と最も多く、[行わない方が良い]と明確に答えた男性が3.8%、女性が2.2%であった。「もし検査で最終的に胎児に何らかの病気や障がいがある、と診断された場合、妊娠を継続しますか」との質問には、全体的な傾向として、男性の方が、いずれの状況においても「継続する」という意見が女性よりも多く、女性は「継続しない」という回答の方が多かった。これらの受検要因分析をもとに、一般女性の出生前検査・不妊治療経験者の思いをより詳細に追加検討する目的で、2000人を目標として出生前検査についてさらに深く質問する全109問のWeb調査を行った。今後は重要質問項目のクロススタディーに加え、令和3年度に行う研究②出生前検査に関する妊婦・夫への意識等実態調査も含め、解析を行う。
結論
「出生前検査に関する一般市民への意識調査」を行った。受検要因分析より、一般女性、出生前検査・不妊治療経験者にも同様の質問に加え出生前検査について深く質問する必要があった。今後重要項目のクロススタディーに加え、令和3年に行う研究②も含め、出生前検査に関する一般市民及び妊婦・夫への意識等実態調査解析を行う。

公開日・更新日

公開日
2021-07-12
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-07-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202007027Z