文献情報
文献番号
                      202007018A
                  報告書区分
                      総括
                  研究課題名
                      幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援に向けた効果的な展開のための研究
                  研究課題名(英字)
                      -
                  課題番号
                      20DA2002
                  研究年度
                      令和2(2020)年度
                  研究代表者(所属機関)
                      衞藤 久美(女子栄養大学 栄養学部)
                  研究分担者(所属機関)
                      - 鈴木 美枝子(玉川大学教育学部)
 - 佐々木 渓円(実践女子大学 生活科学部)
 - 多田 由紀(東京農業大学応用生物科学部栄養科学科)
 - 祓川 摩有(聖徳大学 児童学部 児童学科)
 - 秋山 有佳(山梨大学 大学院総合研究部医学域社会医学講座)
 - 船山 ひろみ(鶴見大学歯学部小児歯科学講座)
 
研究区分
                      厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
                  研究開始年度
                      令和2(2020)年度
                  研究終了予定年度
                      令和3(2021)年度
                  研究費
                      8,077,000円
                  研究者交替、所属機関変更
                      -
                  研究報告書(概要版)
研究目的
            平成29年度~令和元年度「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイドに関する研究」(石川班)では、幼児の栄養・食生活支援に関わる保健医療従事者や児童福祉関係者等を対象とした「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド(案)」(以下「支援ガイド案」)が作成された。本研究は、市区町村保健センター等での母子保健事業、保育所や幼稚園等での保育・幼児教育の場等において支援ガイド案を実践的に活用するために、栄養・食生活支援に関わる支援者が支援ガイド案を効果的に活用するための方法を明らかにすることを目的とする。令和2年度は、母子保健事業の場、保育・幼児教育の場等で支援ガイド案を活用する可能性のある支援者の意見をふまえて支援ガイド案を改訂することを目的に、幼児期の栄養・食生活支援に関わる支援者対象調査(研究1)、支援ガイド案に追加する情報・教材の作成(研究2)を行った。
      研究方法
            研究1:1) 研究協力施設88施設を対象に、令和2年9~12月に自由回答を中心とした質問紙調査(郵送法)を実施した。2) 質問紙調査の対象施設のうち調査協力が得られた保育・幼児教育施設5施設を対象に、令和3年2~3月に追加インタビュー調査を実施した。
研究2:1) 幼児期の栄養・食生活支援に関する国のガイドラインや自治体の資料等を参照し、支援ガイド案で示している支援の方向性にあわせて整理して「幼児期における口腔機能の発達に対応した食の進め方」の作成を試みた。2) 既存のインタビューデータの再解析及び研究1の追加インタビュー調査結果をふまえ、「幼児の栄養・食生活の困りごとQ&A」の作成を試みた。3) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が遷延する社会環境における、幼児と保護者の健康・食生活・生活習慣の実態を検討するために、全国の2~6歳の幼児の保護者を対象にインターネット調査を令和3年2月に実施した。
      研究2:1) 幼児期の栄養・食生活支援に関する国のガイドラインや自治体の資料等を参照し、支援ガイド案で示している支援の方向性にあわせて整理して「幼児期における口腔機能の発達に対応した食の進め方」の作成を試みた。2) 既存のインタビューデータの再解析及び研究1の追加インタビュー調査結果をふまえ、「幼児の栄養・食生活の困りごとQ&A」の作成を試みた。3) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が遷延する社会環境における、幼児と保護者の健康・食生活・生活習慣の実態を検討するために、全国の2~6歳の幼児の保護者を対象にインターネット調査を令和3年2月に実施した。
結果と考察
            研究1: 1) 質問紙調査では82施設123名の有効回答を得た。その結果、支援ガイド案は、「わかりやすい」と回答した者が6割以上、「役立ちそう」と回答した者が約9割以上だった。「発達段階に応じた食べ方等の詳しい内容」等を入れてほしいという意見が挙がった。2) 追加インタビュー調査では、保育・幼児教育施設で対応できる具体的な事例やQ&Aがあるとより分かりやすい等の意見があった。
研究2:「乳幼児期における口腔機能の発達に対応した食の進め方」(暫定版)並びに「幼児の栄養・食生活の困りごとQ&A」(案)を作成した。インターネット調査の結果、幼児の食事に関する困りごとについては、「食べるのに時間がかかる」、「偏食する」等COVID-19流行前と同様の困りごとが上位に挙がった。
以上の研究1および研究2をふまえて、「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド(案)Ver.2」を作成した。この支援ガイド案Ver.2が、実際に母子保健事業や保育・幼児教育の場において幼児やその保護者の栄養・食生活支援をする際に活用できるガイドであるかの確認を行う必要がある。
      研究2:「乳幼児期における口腔機能の発達に対応した食の進め方」(暫定版)並びに「幼児の栄養・食生活の困りごとQ&A」(案)を作成した。インターネット調査の結果、幼児の食事に関する困りごとについては、「食べるのに時間がかかる」、「偏食する」等COVID-19流行前と同様の困りごとが上位に挙がった。
以上の研究1および研究2をふまえて、「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド(案)Ver.2」を作成した。この支援ガイド案Ver.2が、実際に母子保健事業や保育・幼児教育の場において幼児やその保護者の栄養・食生活支援をする際に活用できるガイドであるかの確認を行う必要がある。
結論
            本研究の結果より、「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド(案)」は、幼児の栄養・食生活支援に従事している支援者から見て、母子保健や保育・幼児教育の場で活用可能なガイドであることが示唆された。一方で、わかりにくい点や追加・改善すべき点も明らかとなった。これらの現場の支援者の意見をふまえ、さらに本研究で作成した2つの資料をふまえて、「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド(案)Ver.2」を作成した。
      公開日・更新日
公開日
          2021-07-15
        更新日
          -