国際的整合性を目指す有効性及び安全性に於ける遺伝子発現情報の標準化に関する研究

文献情報

文献番号
200735038A
報告書区分
総括
研究課題名
国際的整合性を目指す有効性及び安全性に於ける遺伝子発現情報の標準化に関する研究
課題番号
H19-医薬-一般-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
菅野 純(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター毒性部)
研究分担者(所属機関)
  • 油谷 浩幸(東京大学先端科学技術研究センターゲノムサイエンス部門)
  • 山口 照英(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
  • 矢本 敬(三共株式会社 安全性研究所)
  • 住田 佳代(住友化学株式会社 生物環境科学研究所 応用生物グループ)
  • 宇山 佳明((独)医薬品医療機器総合機構 新薬審査第三部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
マイクロアレイや定量PCRを中心とした遺伝子発現解析技術の向上・普及は近年特に目覚ましく、医薬品・食品・工業化学物質等の開発や安全性評価に於いても利用されつつある。米国FDAや欧州EMEAでは医薬品審査でのゲノミクスデータ利用が実用レベルで検討されている一方、我が国に於いては検討が始まったばかりであり、新技術への対応が急務である。
本研究は、遺伝子発現情報を医薬品・食品・工業化学物質等の有効性や安全性を評価する際の定量的かつ高精度の指標として利用するRNA標準化要件や関連情報を調査して、厚生労働省・日本政府が方針を定めるための基礎情報を提供することを目的とする。
研究方法
様々な専門領域のいずれも遺伝子発現解析技術に通じている研究者が分担することで産学官の全ての関連分野に於ける遺伝子発現解析技術の利用状況を幅広く調査し、各領域における標準化の必要性及び実施の可能性を評価する。
またゲノミクス情報を用いた医薬品等審査に於いて国内外で同じ評価基準を持っていれば安全性の確保や審査の迅速化などに有効であるため、国際的な整合性を確保することに重点を置く。
結果と考察
MAQC, ERCC等、海外の主要なRNA標準化コンソーシアムは順調に計画を進めており、Percellome project, JMACなど本邦団体の参画も確認された。
医薬品審査関連においては、米国FDAや欧州EMEAがファーマコゲノミクス関連資料を公開するなど活発に動いており、PMDAもFDA/EMEA合同会議にオブザーバー参加するなど、海外動向を注視しながら本邦での取組みを検討している。
国民生活の安全を守り未知の毒性に対応するには網羅的なゲノミクスデータの活用が必要であり、必然的にデータや解析技術の標準化が必要となるとの共通認識が形成されつつあるものの、標準化技術の自発的な導入については各領域とも消極的であり、行政による取りまとめを求める意見もあった。
RNA標準化に必要な技術としては、Percellome法の確立や医薬品審査にも応用可能な大規模トキシコゲノミクスデータベースの構築など、国内体制は整いつつある。
結論
我が国のRNA標準化に関する技術レベルは非常に高く、国際的にも大きく貢献し得る。国際的なRNA標準化の流れは着実に進んでおり、より積極的な参画が期待される。

公開日・更新日

公開日
2010-05-24
更新日
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