生薬及び漢方処方の有用性評価手法・安全性確保と国際調和に関する研究

文献情報

文献番号
200735017A
報告書区分
総括
研究課題名
生薬及び漢方処方の有用性評価手法・安全性確保と国際調和に関する研究
課題番号
H18-医薬-一般-005
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所生薬部)
研究分担者(所属機関)
  • 袴塚 高志(国立医薬品食品衛生研究所生薬部)
  • 鎌倉 浩之(国立医薬品食品衛生研究所生薬部)
  • 川原 信夫(国立医薬品食品衛生研究所生薬部)
  • 木内 文之(独立行政法人医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター)
  • 津谷 喜一郎(東京大学大学院薬学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 重層的な視野で生薬,漢方処方を医薬品として,国内外で今後どのような形で流通させ,国民の保健衛生の向上に役立たせるか検討するための必要資料を提供する目的で行う.
研究方法
 1.漢方処方の使用実態調査研究(AUR),2.生薬・漢方処方の品質確保に関する研究,3.生薬中の不純物に関する研究,4.漢方処方の品質評価と同等性に関する研究,5.生薬及び漢方処方の国際調和に関する研究を行う.
結果と考察
 1. 異なった年度、場所で行ったAURは,良い再現性を示した. 2.カッコウについて様々な流通品を入手し形態鑑定及び各種機器分析を行い,基原鉱物を明らかにした.また,理化学試験用生薬標準品に関する研究として,同用車前子・同用牛膝の規格及び確認手続きを決定した.また,味認識に関する研究として,味認識装置で市販エキス処方の味を定常的に測定するための至適濃度を明らかにした.3.10品目54検体の生薬についてICP-MS等を用い含有重金属・ヒ素の実態調査を行った.また,有機リン系農薬が検出された生薬を用い,補中益気湯及び半夏厚朴湯を調製し,漢方処方煎液への農薬の移行について検討した.4.「新一般用漢方処方の手引き案(改訂版)」を完成させた.また,半夏厚朴湯,葛根湯等処方並びにその構成生薬について煎出エキスにおけるエキス収量を測定し,エキス収量が漢方製剤の同等性評価の指標として有効に機能し得ることを明らかにした.麗澤通気湯について構成生薬のTLCによる確認試験を確立した.また,甘露飲と小腸上皮細胞との相互作用について検討した.黄ゴン含有処方の有効性を確保するために煎出液の調製方法等について検討した.次に漢方処方煎出エキスならびに構成生薬エキスの腸内細菌の生育に与える影響について検討し,複数の処方並びに大黄,黄連及び黄柏に強いpH降下抑制活性(菌生育抑制活性)を見出した.5. FHHのStanding committee会議 等に参加するとともに,日本での活動を支援した.また,世界で進行中の5つのプロジェクトでherbal medicinesがどのように記載されているか基礎調査を行った.
結論
 本研究の成果は,日本薬局方や,承認基準等に反映されることで,生薬や漢方処方の品質,有効性,安全性の確保に貢献するとともに,FHHを通じ,生薬・植物薬の国際理解・調和にも貢献する.

公開日・更新日

公開日
2010-02-15
更新日
-