医薬品等の品質・安全性に係る国際的動向を踏まえた評価に関する研究

文献情報

文献番号
200735014A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品等の品質・安全性に係る国際的動向を踏まえた評価に関する研究
課題番号
H18-医薬-一般-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
新見 伸吾(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 早川 堯夫(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)
  • 川西 徹(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
  • 山口 照英(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
  • 川崎 ナナ(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
  • 石井 明子(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
  • 内田恵理子(国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部)
  • 檜山 行雄(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は新規医薬品等の品質及び安全性確保基準、製造管理技術・品質確保技術について外国での進捗状況を調査すると共に、外国の技術水準に留意した科学的に妥当性のある品質・安全性確保基準及び製造技術管理技術・品質確保技術の確立及び検証に関する研究とそれらに関連する評価技術開発を行うことを目的とする。
研究方法
以下の点について文献および参考資料等を基に調査および研究を行った。
1.低分子化合物の分子標的薬を用いた抗血管新生療法の現状と展望
2.医薬品の製造方法の評価
3.生物薬品の特性・品質評価解析、品質評価法の開発
4.トランスジェニック植物により製造されるタンパク質性医薬品の品質評価等
5.バイオ医薬品の品質・安全性評価
6.遺伝子治療用医薬品の品質・安全性評価
7.包括的な医薬品品質監督システムの国際動向
結果と考察
1.血管新生に対する低分子化合物の分子標的薬は癌において治療効果が示されたことから、抗血管新生療法として有用であることが明らかになった。
2.新しい製剤開発・品質管理アプローチ(QbDアプローチ)のタンパク質性医薬品原薬への適用は限定的であると考えられる。
3.バイオ医薬品の本質、アミノ酸配列等、および分子式・分子量の記載に関して考慮すべき事項及び要素を提案し、これらは一般名称申請書もしくは届出書作成にあたって有用であることを明らかにした。
4.トランスジェニック植物を用いて製造されたバイオ医薬品に付加された糖鎖はヒトにおいてアレルギー反応を起こす可能性が示唆された。
5.TGN1412の臨床試験における重篤な有害事象の発症から、新規バイオ医薬品の開発では慎重な特性解析、基礎及び非臨床試験での生理作用の解明、ヒトでの初期投与量設定の新たな基準などが必要であることを明らかにした。
6.遺伝子治療用ウイルスベクターの患者からのshedding(体外排出)はベクターの種類および投与経路、投与量、投与計画により大きく異なることを明らかにした。
7.医薬品規制国際会議で議論されている医薬品品質システム(Q10)のガイドラインの導入は必要であるが、日本での適用には数々の問題点があることを明らかにした。
結論
これらの成果は、外国と同水準の品質/安全性を保証できる品質/安全性確保基準および製造管理技術・品質確保技術の確立、検証、評価、外国で開発された製品の迅速な患者への提供、日本で開発した製品の円滑な外国への輸出に貢献すると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2009-03-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-02-04
更新日
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