新型コロナウィルス感染症に対応した高齢者の介護や子供の保育ケアに関わるエッセンシャルワークを支援する遠隔アバターロボット・AIによる安心・安全な見守りケアの実用化に向けた研究

文献情報

文献番号
202006043A
報告書区分
総括
研究課題名
新型コロナウィルス感染症に対応した高齢者の介護や子供の保育ケアに関わるエッセンシャルワークを支援する遠隔アバターロボット・AIによる安心・安全な見守りケアの実用化に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20CA2045
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
本田 幸夫(東京大学 大学院工学系研究科人工物工学研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 淺間 一(東京大学 大学院工学系研究科)
  • 山下 淳(東京大学 大学院工学系研究科精密工学専攻)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
8,960,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
新型コロナ感染症への対応で増加した介護職員や保育士の業務負担(被介護者、保育園児、家族への対応等)を分析し、介護・保育業務に注力できる環境を構成できる可能性のある遠隔で操作をするアバターロボット(以下遠隔アバターロボットという)の研究・商品化動向を調査し、現場導入効果のフィジビリティスタディを行うことを目的とする。
研究方法
(1)介護現場および保育現場の一日の業務内容調査をもとにコミュニケーションに関わる課題を抽出
(2)遠隔アバターロボットの調査(研究段階、商品)
(3)課題解決に有効と考えられるアバターロボットの利活用シーンの分析
(4)現場へロボットを持ち込み実体験を通して有効性の確認と課題の明確化を行う
(倫理面への配慮)
本人確認が出来ないようプライバシー保護を配慮
結果と考察
結果:介護現場および保育現場で顕在化しつつある新型感染症の対応に関するコミュニケーションに関する課題を、現場ヒアリングを通して調査をした。その結果、マスクにより顔の表情が分からないことによる意思疎通に関する心配が多いことが、介護施設、保育施設に共通して確認ができた。特に保育園児に関しては、保育士の口の動きが分からないことで成長に伴い言語障害が発生しないかという心配の声が多かった。また家族の施設訪問機会が減ったことで、施設での生活を知る機会が減少したことによる弊害も共通課題であった。これらの弊害を遠隔アバターロボットで解決できないか、遠隔アバターロボット技術の研究開発動向を調査し、商品化されたアバターロボットを利用して現場でのフィジビリティスタディを実施した。その結果、遠隔アバターロボットは操作(首を振る、車輪で動き回る等)が出来るため、会話だけのTV電話機能よりも会話の主体感が強くなるためかコミュニケーションが活発化する可能性があることが確認できた。また、家族が遠隔操作で施設内を見て回ることで施設での生活を観察できることも遠隔アバターロボットの価値として確認ができた。
考察:新型コロナ感染症の影響で希薄となった人と人とのコミュニケーションを補完する道具としての遠隔アバターロボットの有用性を確認できた。一方、ロボットは動作を伴うことやネット環境下のプライバシー漏洩の心配など絶対安全が担保できないため、安全運用のためのリスクアセスメントが重要であることが再確認できた。
結論
遠隔アバターロボットの実用化・普及促進を実現するためには、安全性の担保や運用方法含めたリスクアセスメントを明確にする必要がある。国として普及に向けた研究開発、インフラ(ネット環境)整備、ロボットリテラシー教育等実用化に向けた社会実装エコシステムの構築が重要である。

公開日・更新日

公開日
2021-07-07
更新日
2021-10-04

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-07-07
更新日
2021-10-05

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202006043C

成果

専門的・学術的観点からの成果
介護分野においてはコミュニケーションロボット含め各種ロボットの利活用が進められつつあるが、保育分野での利用可能性の調査研究は殆どなされていなかった。今回介護分野に加えて保育分野でも遠隔コミュニケーション型アバターロボットの利活用の可能性を、現場のヒアリング含めフィジビリティスタディを行ったのは専門的・学術的観点から見ても初めての研究活動であったと考えられ、今後学会等での積極的な発信を行っていく予定である。内閣府からSociety5.0 の発信があり本研究の成果は参考になると考えられる。
臨床的観点からの成果
特になし(臨床に係る研究ではないため)
ガイドライン等の開発
特になし
その他行政的観点からの成果
厚生労働省「介護ロボットの開発・普及の促進」に関してプラットフォーム構築事業の参考情報として研究成果を提供、厚生労働省「介護施設等におけるカメラタイプ見守り機器の効果的な活用に向けた実態調査研究事業」として情報提供
その他のインパクト
1. 日本経済新聞社会面にてインタビュー掲載2021.1.12朝刊
2.AMEDロボット介護機器成果報告会にて研究概要を報告(2021.2.19オンライン開催)
3.福島ロボットシティ推進協議会にて発表2021.3.21

発表件数

原著論文(和文)
2件
日本ロボット学会38巻8号2020年、システム制御情報学会誌第66巻第2号第3号
原著論文(英文等)
5件
Sensors,IEEE等に投稿
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
第33回日本老年学会総会シンポジウム実施合同シンポジウム11「AI/ICT/ロボットの高齢者ケアへの活用と展望」、第30回日本災害医学会フォーラム発表
学会発表(国際学会等)
2件
IEEE/ROBIO2023ThaiにてNursing Care Robotsワークショップ実施、ボアオ・アジア・フォーラム・第三回グローバルヘルスフォーラム
その他成果(特許の出願)
1件
その他成果(特許の取得)
3件
特願2019-133311 特許第6560725号、特願2017_201017(P2017_201017) 特許「コミュニケーションロボット及びコミュニケーションシステム」、特願2021-132697
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
6件
AMED福島ロボットシティ推進協議会,ロボットワールド関西、横浜2022にて発表

特許

特許の名称
コミュニケーションロボット及びコミュニケーションシステム
詳細情報
分類:
特許番号: 特許第6749711号
発明者名: 本田幸夫
権利者名: iPresence合同会社
出願年月日: 20190719
取得年月日: 20200814
国内外の別: 国内
特許の名称
コミュニケーションロボット及びコミュニケーションシステム
詳細情報
分類:
特許番号: 特許第6560725号
発明者名: 本田幸夫
権利者名: iPresence合同会社
出願年月日: 20171017
取得年月日: 20190726
国内外の別: 国内

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Satoshi Tsujikawa, Hiroshi Tsutsui, Yukio Honda
Development and application of a communication robot to improve the emotional state of elderly living alone
Universal Access in the Information Society  (2023)

公開日・更新日

公開日
2021-07-07
更新日
2025-06-04

収支報告書

文献番号
202006043Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
11,648,000円
(2)補助金確定額
11,648,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,114,791円
人件費・謝金 133,020円
旅費 945,286円
その他 5,783,647円
間接経費 2,688,000円
合計 11,664,744円

備考

備考
物品費が予算をオーバーしたため自己資金にて16,744円を補填

公開日・更新日

公開日
2021-07-07
更新日
2021-10-04