隧道等建設工事の現行測定法の検証とアーク溶接等への新測定法の提案に関する研究

文献情報

文献番号
200733022A
報告書区分
総括
研究課題名
隧道等建設工事の現行測定法の検証とアーク溶接等への新測定法の提案に関する研究
課題番号
H19-労働-一般-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
名古屋 俊士(早稲田大学理工学術院創造理工学部環境資源工学科)
研究分担者(所属機関)
  • 小西 淑人(日本作業環境測定協会 調査研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
隧道等建設工事ガイドラインの施行以来環境が改善されている。環境改善された現状において、再度隧道建設現場における粉じん濃度測定を実施し、カイドライン改正の必要性等を検証する。さらに、個人曝露濃度測定を導入する必要性について検証する。アーク溶接作業の場合、作業者への曝露防止対策は進みつつあるが、測定法及びその評価法が確立していないため、溶接現場における粉じん濃度測定を実施し早急な測定法及び評価法を提言する。管理濃度の改正により低濃度域における測定が求められている。そこで、活性炭管ー加熱脱着ーGC/FID法による分析の可能性について検討を行った。
研究方法
隧道等建設工事現場において、切羽から30m及び50mの位置でガイドラインに基づいた粉じん濃度測定及び併行測定を実施する。さらに、作業者に個人サンプラーを装着させ個人曝露濃度測定を行う。溶接現場においてA測定及びB測定を行う。さらに、溶接作業用に相対濃度と質量濃度が同時に測定できるA測定及びB測定を開発し、改良型PDS-2を作業者の肩に装着して測定するC測定及び改良型PDS-2を伸縮棒の先端に取り付けより作業者の呼吸域に近いところでB測定を可能にしたB+測定法について現場適用試験を行った。また、現場に於ける使用頻度の高い有機溶剤を選び、活性炭管ー加熱脱着ーGC/FID法による分析の可能性について検討を行った。併せて、現行法では改正管理濃度を測定出来ないことから、二硫化炭素に対しても検討を行った。
結果と考察
隧道等建設工事ガイドライン法の検証によって得られた結果は、切羽から50m離れた位置での測定及び粉じん濃度目標レベル3mg/m3は、現状において変更の必要ないことが明らかとなった。また、個人サンプラーを用いた粉じん濃度に関しては、さらなる検証を行う必要がある。溶接作業に関しては、A測定及びB測定より、改良型PDS-2を用いたB+測定法及びC測定法の方が、溶接作業の測定には適しているように思えるが、更に現場を増やし検討することとした。活性炭管ー加熱脱着ーGC/FID法は、低濃度域における測定に適していることが明らかとなった。特に、二硫化炭素の定量を可能にしたことにより、二硫化炭素の管理濃度の決定に多いに役立つことができた。
結論
隧道等建設工事現場に於ける現行のガイドライン法の有効性が確認できた。個人曝露濃度測定には、さらなる検証が必要である。溶接作業では、B+測定法及びC測定法の適用が妥当と考えるが、さらなる現場測定を行い検討することとした。活性炭管ー加熱脱着ーGC/FID法は、現行の分析法に比べて低濃度域に適している分析法である。

公開日・更新日

公開日
2008-06-02
更新日
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