文献情報
文献番号
200732079A
報告書区分
総括
研究課題名
新歯科医師臨床研修制度の評価に関する調査研究
課題番号
H19-医療-一般-009
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
俣木 志朗(国立大学法人東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 新田 浩(国立大学法人東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 )
- 秋山 仁志(日本歯科大学歯学部附属病院)
- 平田 創一郎(東京歯科大学社会歯科学研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
5,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
新歯科医師臨床研修制度の2年目の終了時期を迎え、本制度の有効性を評価するとともに、今後の本制度の運用、改善に向けての基礎資料を収集するために「本制度の研修内容・研修効果に関する調査研究」「研修歯科医およびプログラム責任者のメンタルヘルス調査に関する研究」「研修歯科医の分布に関する調査研究」を実施した。
研究方法
「本制度の研修内容・研修効果に関する調査研究」では、研修歯科医および単独型・管理型臨床研修施設、協力型研修施設を対象として、アンケートを行った。「研修歯科医およびプログラム責任者のメンタルヘルスに関する研究」では、簡易職業性ストレス評価票および抑うつ状態自己評価尺度を用いた。上記のアンケート調査は本調査研究のホームページ上で回答が出来るように整備した。「研修歯科医の分布に関する調査研究」では、平成19年度のすべての単独型及び管理型臨床研修施設208施設の282研修プログラムを対象とした。
結果と考察
研修内容・研修効果に関する調査研究では、研修歯科医400名、単独型・管理型臨床研修施設95施設、協力型臨床研修施設245施設から回答を得た。新制度の歯科医師の資質向上への貢献度については、研修歯科医からは70%、単独型・管理型施設からは92%、および協力型施設からは94%の肯定的評価の回答を得た。研修歯科医およびプログラム責任者のメンタルヘルスに関するアンケートの結果、研修歯科医の約半数、プログラム責任者の33%が「抑うつ状態」である可能性が示された。研修歯科医の総数は2,361名であり、臨床研修の実施率は99.4%と高率を示したが、研修歯科医の都道府県ごとの在籍状況には偏りがみられ、歯科大学・大学歯学部がある都道府県で多い傾向がうかがわれた。平成18年度との比較では、都道府県格差は縮小した。
結論
研修歯科医および指導歯科医から、本制度は、歯科医としての資質の向上に貢献しているとの肯定的本制度は歯科医としての資質の向上に貢献しているとの肯定的評価が得られた。研修歯科医およびプログラム責任者が、精神的にも身体的にも安心して研修に専念できる環境を整備し、提供することは、歯科医療界全体にとって非常に重要なことと考えられる。平成18年度と比較して、研修歯科医数の都道府県間の分布の格差は縮小した。これは国家試験合格者数の減少の影響と考えられた。協力型研修施設への研修歯科医の出向が、地域偏在に及ぼす影響について、今後も引き続き状況を把握、検討する必要があると考えられた。
公開日・更新日
公開日
2010-06-22
更新日
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