無床診療所等における医療安全管理体制構築に関する研究

文献情報

文献番号
200732027A
報告書区分
総括
研究課題名
無床診療所等における医療安全管理体制構築に関する研究
課題番号
H18-医療-一般-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
石川 雅彦(国立保健医療科学院政策科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 平尾 智広(香川大学医学部医療管理学講座)
  • 平田 創一郎(東京歯科大学社会歯科学研究室)
  • 谷津 裕子(日本赤十字看護大学母性看護学・助産学)
  • 種田 憲一郎(国立保健医療科学院政策科学部安全科学室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療安全体制の確立に関しては、これまで大規模の病院や有床診療所に対する取り組みが主体であったが、今後、この体制を盤石なものにするためには、残された一般診療所・歯科診療所・助産所(以下、無床診療所等)における医療安全管理体制の構築が必須である。
平成19年4月の医療法改正により、無床診療所等にも医療安全管理体制の整備が義務付けられたことに伴い、医療安全管理指針の整備、院内報告制度の整備、および安全に関する職員研修の実施などに関する取り組みが必要となってきている。本年度は3年間の研究期間の2年目にあたり、昨年の研究を踏まえて、最終年である3年目に計画している無床診療所等の医療安全管理担当者に必要な研修の実施に向けて、無床診療所等における医療安全管理体制の整備に必要な研修内容を検討するために、現状と課題の把握を目的としてアンケート調査を実施した。
研究方法
調査対象は医療安全に先進的に取り組んでいる無床診療所等とし、これを予め選定して自記式調査票を郵送し、一般診療所22、歯科診療所19、助産所17の計58施設に関して検討を行った。また、無床診療所等の医療安全管理体制構築を推進する方策を検討するために、地域連携に積極的に取り組んでいる医療機関へのヒヤリング調査を行った。
結果と考察
調査の結果、安全管理指針の策定、医療安全管理者の配置、インシデント・アクシデント報告事例を全職員に通知することに関しては、一般診療所、歯科診療所、助産所のいづれの施設でも、実施(準備中、実施予定を含む)が80%以上であった。この反面、事故発生時とその対策についての情報公開、地域の保健所や医療安全支援センターとの連携等に関しての実施状況はいづれの施設でも低い傾向にあった。また、それぞれの施設に特徴的な実施状況も認め、医療安全管理体制整備に関しては、課題があることがわかった。今回の調査では調査数は多くはないが、無床診療所等の施設毎、および3者の比較を通して、ある程度の傾向がわかった。また、ヒヤリング調査では、地域の中核病院と無床診療所等の連携による医療安全研修の実施の可能性が示唆された。
結論
今年度は、アンケート調査による医療安全管理体制の整備状況を把握したが、今後は無床診療所等の医療安全管理担当者に必要なコンピテンシーを明らかにし、これを習得するための研修を企画・実施とこれを地域に普及する方策の検討を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2008-03-24
更新日
-