医療安全と質を保証する患者状態適応型パス統合化システム開発研究

文献情報

文献番号
200732019A
報告書区分
総括
研究課題名
医療安全と質を保証する患者状態適応型パス統合化システム開発研究
課題番号
H17-医療-一般-022
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
飯塚 悦功(東京大学 大学院工学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 大江 和彦(東京大学・大学院医学系研究科)
  • 田中 紘一(先端医療センター)
  • 若尾 文彦(国立中央がんセンター)
  • 信友 浩一(九州大学医学研究院基礎医学部門)
  • 土屋 文人(東京医科歯科大学・歯学部附属病院)
  • 水流 聡子(東京大学・大学院工学系研究科)
  • 棟近 雅彦(早稲田大学理工学術院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療の質安全保証と医療質経営を実現する患者状態適応型パス統合化システムの設計・プロトタイプ開発、実装促進の諸活動の設計を行う。政策支援・質経営支援・標準化とプロセス管理による医療安全の検討・社会技術検討・教育教材化検討を行う。
研究方法
研究組織を,以下のような機能別に展開し,各コンテンツタイプに対して研究・開発活動を進めた.
1)新規(改善)コンテンツ:設計・検証・管理
2)運用コンテンツ:運用形態加工・配信・運用管理状況管理
3)実施コンテンツ:実施記録収集・集計・評価・不具合事象の分析
4)PCAPSアドミニストレータの設計と開発
結果と考察
 構造化された電子標準コンテンツ32件が設計され,35病院による臨床プロセスチャート検証調査が実施された.結果としては,31コンテンツが標準コンテンツとして活用可能となった.
 標準コンテンツを使って,地域医療連携を行うことは可能である.診療所の場合,使用するユニットは1ユニットであることがほとんどであり,条件付き指示の部分を,診療所リソースを越える医療ニーズを充足するように設計することが有用と判断された.
 質安全を保証する連携を行う上で,PCAPS連携モデルを検討し,連携分類を行った.連携知識の構造化のため,連携チャート・連携ロジック・連携ノート,を開発した.
 分析手法としては,臨床標準からの差分分析の方法論・同一患者状態に対する薬剤治療ベンチマーキング・HISデータとのリンクによる診療と使用リソースの可視化にもとづく経営評価の方法論・HIS/PCAPSデータを用いGIS上に当該地域の医療リソースと使用実績を可視化するための方法論,などの初期モデルを開発した.
 また,以下の3つのシステムからなるPCAPS統合化システムを設計した.
1)計画支援システム(ビルダー:PCAPS-Builder)
2)運用支援システム(アドミニストレイター:PCAPS-Administer)
3)分析支援システム(アナライザー:PCAPS-Analyzer)
結論
患者状態適応型パス統合化システム(PCAPS)の基本設計開発を行い、標準コンテンツ開発の方法論を確率した。本システムは、健診・医療・介護連携と疾病管理、DPC評価情報の提供、医療安全・質経営の推進等に有用と判断された。

公開日・更新日

公開日
2008-04-21
更新日
-

文献情報

文献番号
200732019B
報告書区分
総合
研究課題名
医療安全と質を保証する患者状態適応型パス統合化システム開発研究
課題番号
H17-医療-一般-022
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
飯塚 悦功(東京大学 大学院工学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 伊藤 雅治(社団法人 全国社会保険協会連合会)
  • 齊藤 寿一(社会保険中央総合病院)
  • 飛永 晃二(健康保険諫早総合病院)
  • 大江 和彦(東京大学・大学院医学系研究科)
  • 土屋 文人(東京医科歯科大学・歯学部附属病院)
  • 水流 聡子(東京大学・大学院工学系研究科)
  • 棟近 雅彦(早稲田大学理工学術院)
  • 永井 庸次(株式会社日立製作所 水戸総合病院)
  • 三宅 祥三(武蔵野赤十字病院)
  • 飯田 修平(財団法人東京都医療保健協会練馬総合病院)
  • 原 義人(青梅市立総合病院)
  • 宇高 功(株式会社神戸製鋼所神鋼加古川病院)
  • 立川 幸治(名古屋大学医学部附属病院)
  • 信友 浩一(九州大学医学研究院基礎医学部門)
  • 矢野 真(武蔵野赤十字病院)
  • 田中 良典(武蔵野赤十字病院)
  • 高橋 眞冬(青梅市立総合病院)
  • 吉田 茂(名古屋大学医学部附属病院)
  • 今田 光一(黒部市民病院)
  • 小西 央郎(広島大学病院周産母子センター)
  • 櫃石 秀信(株式会社神戸製作所神鋼加古川病院)
  • 平安山英盛(沖縄県立中部病院)
  • 久島 昌弘(沖縄県立中部病院)
  • 渡邊 両治(社団法人全国社会保険協会連合会)
  • 亀田 忠俊(医療法人・鉄蕉会・亀田総合病院)
  • 永井 良三(東京大学・大学院医学系研究科)
  • 山内 孝義(株式会社日立製作所水戸総合病院)
  • 門脇 孝(東京大学大学院医学系研究科)
  • 若尾 文彦(国立がんセンター中央病院)
  • 遠藤 直人(新潟大学大学院・医歯学総合研究科)
  • 吉井 慎一(株式会社日立製作所 水戸総合病院)
  • 織田 順(東京医科大学)
  • 蒲生 真紀夫(みやぎ県南中核病院)
  • 蝶名林 直彦(聖路加国際病院)
  • 勝尾 信一(福井総合病院)
  • 関 利一(株式会社日立製作所 水戸総合病院)
  • 菅野 一男(武蔵野赤十字病院)
  • 渡邊千登世(さいたま市立総合病院)
  • 田中 紘一(先端医療センター)
  • 加部 一彦(恩賜財団母子愛育会愛育病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療の質安全保証と医療質経営を実現する患者状態適応型パス統合化システムの設計・プロトタイプ開発、実装促進の諸活動の設計を行う。政策支援・質経営支援・標準化とプロセス管理による医療安全の検討・社会技術検討・教育教材化検討を行う。
研究方法
研究組織を、統括・基盤・応用展開の3部門に分け、それぞれ、「統合化システム総合設計検討」、「システム開発・コンテンツ開発・検証調査実施」、「連携検討・DPC検討・質経営支援検討・医療安全推進検討・社会技術検討・教育教材検討」を行った.
結果と考察
構造化された電子標準コンテンツ(臨床プロセスチャート)を,H17年度に26件・H18年度に20件・平成19年度に31件,合計77件を開発した.また,領域毎最低1件に関しては,ユニットシートまでの電子コンテンツを作成できた.
 標準コンテンツを使って,地域医療連携を行うことは可能であることがあきらかとなった.本研究では,PCAPS連携モデルを検討し,連携分類を行った.連携知識の構造化のため,連携チャート・連携ロジック・連携ノート,を開発した.連携モデルを開発した事例としては,前立腺肥大症・脳梗塞・糖尿病・緩和ケア(疼痛マネジメント)があり,COPDに関する連携モデルを現在構築中である.
 分析手法として,臨床標準からの差分分析の方法論・同一患者状態に対する薬剤治療ベンチマーキング・HISデータとのリンクによる診療と使用リソースの可視化にもとづく経営評価の方法論・HIS/PCAPSデータを用いGIS上に当該地域の医療リソースと使用実績を可視化するための方法論,などの初期モデルを開発した.
 また,以下の3つのシステムからなるPCAPS統合化システムを設計した.
 1)計画支援システム(ビルダー:PCAPS-Builder)
 2)運用支援システム(アドミニストレイター:PCAPS-Administer)
 3)分析支援システム(アナライザー:PCAPS-Analyzer)

 1は,臨床家が病院や自宅から電子コンテンツ作成・お互いの参照と意見交換を可能とした.また,1で作成される計画系に時間軸を組み込むことで動的な運用に展開するプロセスオーガナイザーが開発された.
 2では,初期基本仕様・プロトタイプシステムの開発をおこなった.
 3.では,これまでの診療分析に加え,経営分析・政策検討に必要とする素材へと加工し,地図上に可視化することで経営分析・政策検討に有用なレポートを作成可能なことが示唆された.
結論
患者状態適応型パス統合化システム(PCAPS)の基本設計開発を行い、標準コンテンツ開発の方法論を立した。

公開日・更新日

公開日
2008-04-21
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-02-04
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200732019C