文献情報
文献番号
200731023A
報告書区分
総括
研究課題名
びまん性肺疾患に関する調査研究
課題番号
H17-難治-一般-023
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
貫和 敏博(東北大学大学院医学系研究科 内科病態学講座 呼吸器病態学分野)
研究分担者(所属機関)
- 近藤 丘(東北大学加齢医学研究所 呼吸器再建分野)
- 杉山 幸比古(自治医科大学 呼吸器内科)
- 江石 義信(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 病因・病理学)
- 吾妻 安良太(日本医科大学 第四内科)
- 福田 悠(日本医科大学 解析人体病理学)
- 慶長 直人(国立国際医療センター研究所 呼吸器疾患研究部)
- 河野 修興(広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 分子内科学)
- 曽根 三郎(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 分子制御内科学)
- 菅 守隆(社会福祉法人恩賜財団 済生会熊本病院呼吸器センター)
- 吉澤 靖之(東京医科歯科大学 呼吸器内科)
- 松島 綱治 (東京大学大学院医学系研究科 分子予防医学)
- 滝澤 始(帝京大学医学部附属病院溝口病院 第四内科)
- 井上 義一(独立行政法人国立病院機構 近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター呼吸不全・難治性肺疾患研究部)
- 上甲 剛(公立学校共済組合 近畿中央病院 放射線科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
42,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
びまん性肺疾患に関する調査研究は、特定疾患治療研究事業対策疾患である特定間質性肺炎とサルコイドーシスの二つの疾患に加え、びまん性班細気管支炎および難治である狭窄性細気管支炎を研究対象疾患とし、基礎的病態研究、臨床的患者病態の詳細な検討によって、早期診断・早期治療、新しい診断法、難治性病態からの離脱をすすめる新しい治療法を開発し、ガイドライン化を通して国民の健康を促進することを目的としている。
研究方法
当該研究班の研究は臨床研究から基礎研究にいたるまで広範な領域にわたる種々様々な研究を駆使しており、その詳細においては各々の研究報告において詳細に述べた。倫理面への配慮は十分に行い、臨床研究はGCPを巡視、守秘義務を徹底し患者の自由意志による臨床検体採取を行った。また実験動物はNational Society for Medical ResearchによるPrincipals of Laboratory Animal CareおよびNational Academy of Sciences(NIH公刊)によるガイドラインに従って愛護的に取り扱った。
結果と考察
従来総合されずにいた特発性間質性肺炎の患者情報が、当該班関連専門施設によるWEB登録制による臨床情報集積によって初めてその解析結果をおこない、今後多数の患者の長期にわたる臨床記録の合同調査を可能にするすぐれたシステムを欧米に先んじて構築した。新個人票に基づく調査とあわせて今後の厚生医療対策にも役立つことも期待される。また画像疫学調査の研究からは早期画像診断という、これもまた米国でようやくこれから目指そうという臨床研究を先んじて着手し、早期診断の可能性を示した。間質性肺炎患者の生命予後を左右する急性増悪に関しても長年にわたり当該班が中心になって研究がなされ、その多くはようやく今欧米の研究施設が注目し始めるようになった。これらの臨床研究を中心に発展してきた研究が、基礎研究における解析に基づいてなされるようになったことも、この領域の病態理解を介した新しい診断法や治療法の確立を可能にしている。今後もまた画期的な研究が発展し、対象としている難治性疾患の患者救済がなされることが切望される。
結論
本年度の研究により当該研究班が対象とする疾患の病態の一端が明らかになり、また今後の新たな治療戦略の検討が可能になった。
公開日・更新日
公開日
2008-04-11
更新日
-