文献情報
文献番号
200731013A
報告書区分
総括
研究課題名
プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究
課題番号
H17-難治-一般-013
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
水澤 英洋(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科脳神経病態学(神経内科学)分野)
研究分担者(所属機関)
- 毛利 資郎(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究所 動物衛生研究所 プリオン病研究センタ-)
- 三好 一郎(公立大学法人名古屋市立大学医学研究科 実験動物研究教育センター(プリオン病学))
- 金子 清俊(東京医科大学医学部神経生理学講座)
- 桑田 一夫(岐阜大学人獣感染防御センター(プリオン病学))
- 佐伯 圭一(東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター)
- 小林 篤史(東北大学大学院医学系研究科附属創生応用医学研究センター蛋白研究部門CJD早期診断・治療法開発分野)
- 堀内 基広(北海道大学大学院獣医学研究科プリオン病学講座)
- 坂口 末廣(徳島大学疾患酵素学研究センター神経変性疾患研究部門)
- 松田 治男(広島大学大学院生物圏科学研究科・生物機能開発学専攻分子生命開発学講座(免疫生物学))
- 横山 隆(動物衛生研究所・プリオン病研究センター(プリオン病研究室))
- 堂浦 克美(東北大学大学院医学系研究科・プリオン蛋白分子解析分野(プリオン病学))
- 山田 達夫(福岡大学医学神経内科学)
- 調 漸(長崎大学医学部・歯学部附属病院へき地病院再生支援・教育機構(神経内科学))
- 岩城 徹(九州大学大学院医学研究院神経病理学分野)
- 村山 繁雄(東京都老人総合研究所老年病のゲノム解析研究チーム・高齢者ブレインバンク(神経病理学))
- 湯浅 龍彦(国立精神・神経センター国府台病院 神経内科)
- 三條 伸夫(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科脳神経病態学(神経内科学)分野)
- 中村 好一(自治医科大学地域医療学センター公衆衛生部門)
- 山田正仁(金沢大学大学院医学系研究科脳医科学専攻脳病態医学講座脳老化・神経病態学(神経内科学))
- 市山 高志(山口大学大学院医学系研究科小児科学分野)
- 細矢 光亮(公立大学法人福島県立医科大学医学部小児科学講座)
- 楠原 浩一(九州大学大学院医学研究院成長発達医学分野)
- 堀田 博(神戸大学大学院医学系研究科ゲノム科学講座微生物学分野)
- 網 康至(国立感染症研究所村山庁舎 動物管理室(実験))
- 柳 雄介(九州大学大学院医学系研究院・ウイルス学分野)
- 澤 洋文(北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター分子病態・診断部門,ウイルス学細胞生物学)
- 岸田 修二(東京都立駒込病院・神経内科学(神経内科学部門))
- 倉根 一郎(国立感染研究所ウイルス学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
94,000,000円
研究者交替、所属機関変更
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研究報告書(概要版)
研究目的
プリオン病、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、進行性多巣性白質脳症(PML)のわが国における疫学的実態を明らかにし、発症機序の解明、治療法・予防法の開発、感染予防対策、患者等のケアなどを推進する。
研究方法
プリオン病、SSPEはサーベイランス委員を研究協力者として組織し各都道府県の行政担当者、難病担当専門医と協力して全国サーベイランスを行い、PMLも分科会にて協議の上で疫学研究を推進する。発症機序等の研究は基礎医学者、獣医学者、臨床研究者が分担研究者・研究協力者として各々の研究を推進するとともに共同研究など相互交流を深め全体の向上を目指し、国際的にその成果を発信する。
結果と考察
プリオン病では全国サーベイランス体制のもとに1051例を認定し多数の疫学・臨床研究の成果が得られ、非典型的CJDにはMM2型やMV2型が多く、孤発性CJDの発症にはそれ以前の医療行為は関係ないと思われた。医療行為を介する二次感染について、各事例に対応すると共に厚労省の二次感染対策委員会と協力して方針を策定し専門体制の準備を進めた。SSPEは全国疫学調査を行いデータの解析を開始し、PMLでは自らの研究推進とともに世界での研究の進歩も紹介した。プリオン病の診断では遺伝子・髄液検査を集中化し、MRI等画像診断の標準化を進めた。基礎研究ではプリオン蛋白の正常機能と異常化の機序、モデル動物を用いた感染効率の研究、SSPEにおけるサイトカインの作用、感受性遺伝子の人種間比較評価、SSPEモデル動物の開発、PMLの発症機序、JCウイルス遺伝子変異の検索、JCウイルス結合蛋白の同定等の領域で顕著な研究成果が得られ、多くは国際的一流誌に掲載され世界へ向けて発信された。プリオン病のペントサン治療の臨床試験、SSPEのリバビリン治療の臨床試験が進展し、診療ガイドラインはSSPEで新規作成したものを全国に配布し、PMLではその改訂を進めた。プリオン病の国際会議を後援し、SSPEでは海外多発地域との共同研究が進展した。
結論
対象三疾患いずれも疫学研究、診断法開発や試験治療を含む臨床研究、発症機序に係わる基礎研究、関連獣医学的研究などが大きく進展した。とくにプリオン病についてはサーベイランス体制強化や二次感染予防対策も進み、患者等のケア対策も進んだ。これらの成果は国際会議や共同研究などを通じて発信され国際的にも高く評価されている。
公開日・更新日
公開日
2008-04-11
更新日
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