中枢性摂食異常症に関する調査研究

文献情報

文献番号
200731010A
報告書区分
総括
研究課題
中枢性摂食異常症に関する調査研究
課題番号
H17-難治-一般-010
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
芝崎 保(日本医科大学大学院医学研究科生体統御科学)
研究分担者(所属機関)
  • 乾 明夫(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 健康科学専攻社会・行動医学講座 行動医学分野)
  • 小川 佳宏(東京医科歯科大学難治疾患研究所 分子代謝医学分野)
  • 寒川 賢治(国立循環器病センター研究所)
  • 久保 千春(九州大学大学院医学研究院 心身医学)
  • 熊野 宏昭(東京大学大学院医学系研究科 ストレス防御・心身医学)
  • 児島 将康(久留米大学分子生命科学研究所 遺伝情報研究部門)
  • 櫻井 武(金沢大学大学院医学系研究科 分子神経科学・統合生理学)
  • 鈴木 眞理(政策研究大学院大学 保健管理センター)
  • 中尾 一和(京都大学大学院医学研究科 内分泌・代謝内科学)
  • 吉松 博信(大分大学医学部 生体分子構造機能制御講座・内科学第一)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
19,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
患者数が増加している中枢性摂食異常症の病因、病態の解析を行い、その成果に基づいた本症の治療法を開発することである。
研究方法
中枢性摂食、エネルギー代謝調節機構の解明、本症の病因や病態の基礎的及び臨床的解明と共に治療開発研究を行った。
結果と考察
基礎的研究では、中枢性摂食異常症の発症や病態に関与していると考えられている視床下部、前頭前野の機能の解析、神経性食欲不振症の無月経の生じる機序の解析が進んだ。臨床的研究では神経性食欲不振症における循環器系や摂食調節に関与している物質の解析、神経性食欲不振の治療による体重増加パターンの解析が行なわれた。治療開発研究では、摂食促進作用を有するグレリンの神経性食欲不振症での臨床試験が行われ、グレリンによる空腹感と摂食量の増加作用、さらにその後の経過観察中の体重増加効果等が認められた。神経性食欲不振症の家族教室での内容を基に、家族の本症に対する理解と治療への協力を得るための心理教育プログラム用のDVDが作製された。これを利用することにより、家族教室への参加が困難な家族の本症に対する理解と治療への協力が促進される。一般医を対象とした神経性食欲不振症のプライマリケアのためのガイドラインが完成した。今後これを普及することにより、一般医の適切かつ速やかな本症への対応が図れる。
結論
中枢性摂食調節機構、神経性食欲不振症の病態の解析が進展した。治療開発研究において、グレリンが神経性食欲不振症の病態改善薬として有用である可能性が示された。神経性食欲不振症の家族ための心理教育プログラム用のDVDと一般医向けの神経性食欲不振症のプライマリケアのためのガイドラインが完成し、今後これらの普及に努める。

文献情報

文献番号
200731010B
報告書区分
総合
研究課題
中枢性摂食異常症に関する調査研究
課題番号
H17-難治-一般-010
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
芝崎 保(日本医科大学大学院医学研究科生体統御科学)
研究分担者(所属機関)
  • 乾 明夫(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 健康科学専攻社会・行動医学講座 行動医学分野)
  • 小川 佳宏(東京医科歯科大学難治疾患研究所 分子代謝医学分野)
  • 寒川 賢治(国立循環器病センター研究所)
  • 久保 千春(九州大学大学院医学研究院 心身医学)
  • 熊野 宏昭(東京大学大学院医学系研究科 ストレス防御・心身医学)
  • 児島 将康(久留米大学分子生命科学研究所 遺伝情報研究部門)
  • 櫻井 武(金沢大学大学院医学系研究科 分子神経科学・統合生理学)
  • 鈴木 眞理(政策研究大学院大学 保健管理センター)
  • 中尾 一和(京都大学大学院医学研究科 内分泌・代謝内科学)
  • 吉松 博信(大分大学医学部 生体分子構造機能制御講座・内科学第一)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国の中枢性摂食異常症の患者数は増加すると共に発症の低年齢化が進んでいる。このような背景をもとに本研究の目的は中枢性摂食異常症の病因、病態を解明することにより、本症の有効な治療および予防法を開発することである。
研究方法
分子生物学的、発生工学的基礎研究による中枢性摂食・エネルギー代謝調節機構と本症の病因・病態の解明のための基礎的、臨床的研究、さらに神経性食欲不振症の治療開発研究を行った。
結果と考察
摂食抑制作用を有する新規ペプチドのニュ-ロメジンSの発見、視床下部の摂食調節ニューロンの機能、前頭前野、分界条床核、外側中核の中枢性摂食異常症の病態における関与様式、摂取エネルギーの変化に伴う脂肪細胞因子の役割、神経性食欲不振症の無月経の機序等の解明、神経性食欲不振症の病態に関与する心理因子や摂食調節物質、治療中の体組成の変化、神経性食欲不振症に合併する骨粗鬆症や催不整脈性等の病態の解析を行い、その詳細を明らかにした。治療法の開発に関する研究では、グレリンの神経性食欲不振症における臨床試験を行いその病態改善効果を明らかにし、グレリンの治療薬としての応用の可能性が示された。神経性食欲不振症の家族のための心理教育プログラム用のDVDが作成され、この利用により家族の本症への理解と治療への協力が促進することが期待される。一般医のための神経性食欲不振症の重症度に応じたプライマリケアのためのガイドラインが完成し、今後、一般医が適切かつ速やかに本症への対応が図れることが期待される。
結論
中枢性摂食調節機構と中枢性摂食異常症の病態の解明が進展した。グレリンの神経性食欲不振症における臨床試験を行い同物質の病態改善効果を明らかにした。神経性食欲不振症の家族のための心理教育プログラム用のDVDと一般医向けの神経性食欲不振症の重症度に応じたプライマリケアのためのガイドラインが完成した。

行政効果報告

文献番号
200731010C

成果

専門的・学術的観点からの成果
新たな摂食調節物質としてのニュ-ロメジンSの発見を始めとする中枢性摂食・エネルギー代謝調節機構に関する研究成果は国際的も評価されている。視床下部レベルでの研究に中枢性摂食異常症の病因・病態に関与している可能性が高いinfralimbic cortex、分界条床核、外側中核等も研究対象として新たに加わり、発展が見られた。
臨床的観点からの成果
中枢性摂食調節機構の基礎研究と神経性食欲不振症の病態研究の統合が摂食促進作用を有するグレリンの臨床試験に発展した。その中でのグレリンが神経性食欲不振症の病態改善をもたらしたという結果は、グレリンによる治療法開発の可能性を示すものである。神経性食欲不振症の家族のための心理教育プログラム用のDVDが作製されたことは、家族の本症の理解と治療への協力を勧める上で臨床上意義のあることである。
ガイドライン等の開発
神経性食欲不振症の重症度に応じたプライマリケアのためのガイドラインは国内外に見当たらない。本研究班でそれが作成されたことにより、本症の約7割が最初に受診する一般医が本症に対し速やかに適切な対応を図ることが可能になると予測され、本症の専門医が少ない現状では社会的にも意義のあることである。
その他行政的観点からの成果
神経性食欲不振症に対応できる専門医療機関が少ない現状で、本症のプライマリケアのためのガイドラインの普及に伴い一般医の本症への対応が適切に行われることになり、本症への医療体制を補っていくことが予測される。
その他のインパクト
「グレリンを使った骨粗鬆症、骨折の治療応用」を平成17年3月に出願した。思春期の青少年に摂食障害を分かりやすく解説した図書「ダイエット障害」を発行し、都内女子中学高校では「思春期の心と身体」と題した講義を年に1回毎年行っている。摂食障害患者をもつ家族を対象とした心理教育の会を東京女子医科大学で月に1-2回開催している。この取組をDVD「拒食症の家族教室」にまとめ、ホームページ(http://www3.grips.ac.jp/~eatfamily/)を通してその普及を図っている。

発表件数

原著論文(和文)
原著論文(英文等)
その他論文(和文)
その他論文(英文等)
学会発表(国内学会)
学会発表(国際学会等)
その他成果(特許の出願)
その他成果(特許の取得)
その他成果(施策への反映)
その他成果(普及・啓発活動)

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)