関節リウマチにおける間質性肺病変発症に関わる遺伝子の探索

文献情報

文献番号
200729025A
報告書区分
総括
研究課題名
関節リウマチにおける間質性肺病変発症に関わる遺伝子の探索
課題番号
H18-免疫-若手-003
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
島田 浩太(独立行政法人国立病院機構相模原病院)
研究分担者(所属機関)
  • 山田 亮(東京大学医科学研究所・ヒトゲノム解析センター・ゲノム機能解析分野)
  • 杉井 章二(東京都立府中病院リウマチ膠原病科)
  • 中込 一之(東京大学医学部附属病院・呼吸器病学・内科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
8,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年の関節リウマチ(RA)診療における種々の治療薬の格段の進歩にもかかわらず、RAにしばしば合併し生命予後に重大な影響を及ぼしうる間質性肺病変(ILD)の発症機序の解明や治療法の確立に関しては未だ不十分である。また、本邦RA患者では薬剤誘発性ILDの発症頻度が他国と比して著しく高いとの報告もあることから、RAに関連するILD発症機序の解析は極めて重要な研究課題である。
研究方法
対象である、ILD合併RA患者及び非合併RA患者より文書による同意を得たのち、末梢静脈血約7mlを採取、DNAを抽出する。ILDの合併の有無については原則、胸部高分解能CTに基づいて評価を行う。採取したゲノムDNA検体については、諸報告にてこれまでに特発性を含めたILDの病態に関連が示唆されている分子、およびこれにパスウェイ上で関連する分子の遺伝子を対象とした一塩基多型(SNP)解析を行う。
結果と考察
今年度は本課題遂行に必要な、下記検討を進めた。
(1)DNA検体収集体制の確立と検体・臨床情報収集
相模原病院、京大病院、道後温泉病院に加え、昨年度末には東大病院にても対象患者の研究参加について同意患者からの末梢血検体採取および京大ゲノム医学センターでの検体保存・解析が承認された。抄録原稿提出日現在、京大病院340検体、道後温泉病院430検体、相模原病院1141検体が収集されており、東大病院においても、検体採取が開始されている。検体収集と平行して、検体に付帯させる臨床情報の収集をさらに進めている。
(2)候補遺伝子リストの作成
本研究では候補遺伝子アプローチを想定している。動物モデル・患者検体の検討でこれまでに特発性を含めたILDの病態に関連が示唆されている分子・このパスウェイ上での関連分子の遺伝子を対象とする。今年度はILD病態関連分子としてTGF(transforming growth factor)βを取り上げ、候補パスウェイ遺伝子群は、KEGGおよびILD・TGFβ関連文献における記載をもとに126関連遺伝子をリストアップした。また、リストアップされた関連分子の一部をパスウェイマップとした。
(3)対象患者の選定作業とSNP解析
収集された検体のうち、ILD合併についての画像によるILD合併に関する臨床情報がすでに付帯されているものの中から、ILD合併群95例、非合併例77例を対象とした。これらについて、(2)でリストアップしたTGFβ関連126遺伝子に存在するSNPsのうち1078SNPsでのアレル頻度差を検討した。
結論
単独SNPとして有意な頻度差を有するものは認められなかった。

公開日・更新日

公開日
2008-04-21
更新日
-