関節リウマチに対する長期耐用下肢人工関節の開発とクリティカルパスの標準化

文献情報

文献番号
200729022A
報告書区分
総括
研究課題名
関節リウマチに対する長期耐用下肢人工関節の開発とクリティカルパスの標準化
課題番号
H18-免疫-一般-007
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
中村 孝志(京都大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 川那辺 圭一(京都大学 大学院医学研究科)
  • 伊藤 宣(京都大学 大学院医学研究科)
  • 三浦 裕正(九州大学 医学部付属病院)
  • 大塚 博巳(愛知医科大学 医学部)
  • 中山 健夫(京都大学 大学院医学部)
  • 松下 富春(中部大学 生命医科学部)
  • 安達 泰治(京都大学 工学部大学院)
  • 宮原 寿明(九州医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では1. 下肢人工関節の開発、2. 下肢人工関節のクリニカルパスの標準化と3. 人工膝関節と人工股関節の全国登録システムの確立を目指している。
研究方法
1、1)ジルコニア骨頭の人工股関節のメタ分析による臨床評価、2)金属材料と骨または腱組織の結合を強化する研究、3)スポーツ活動時の人工膝関節キネマティクス解析、4)人工足関節設計のための力学解析手法の検討を行った。
2、1)下肢人工関節のクリティカルパスの標準化に向けた基礎的検討、2)国立病院機構九州医療センターにおける1年間の症例の人工股・膝関節置換術クリティカルパスのアウトカム分析を行った。
3、日本整形外科学会インプラント委員会と協力して下肢人工関節登録を開始し、施行上の問題点と症例の検討を開始した。
結果と考察
1、関節摺動面の問題ではジルコニア骨頭の臨床評価をEBMのメタ分析の手法で評価した。従来のジルコニアが持つ問題点が明らかとなった。骨とインプラント界面の固着に関してはポーラス金属表面やポーラス体の応用が検討され、材料の設計上の問題と生体活性因子の役割が分析され、インプラントの作成に示唆を与える結果がえられている。また人工膝関節術後患者のマッチング法を用いた2次元レントゲンシネマ解析で、バイク運動が膝人工関節患者に安全で有効な事が示され、リハビリテーション指導に示唆をあたえた。また、新しい人工足関節の開発に向けてFEM分析することで新しい知見がえられ、新しい人工足関節のデザインに示唆を与えるものとなった。
2、アンケートが完了し解析を開始しており、日本全体での状況が把握でき標準化への基礎データが収集できる段階になった。また、クリニカルパスのアウトカム評価も遂行した。
3、2007年より10施設でのパイロット登録が開始され、登録症例が2000例を越え改善点も明らかになり、改善を重ねた結果登録システムがスムーズに進む段階にいたっている。
結論
インプラントの開発において本年度は前年度の成果を踏まえ確実な成果を上げている。一方、新しい人工関節の設計は未だ不十分であり、今後さらに研究を進める必要がある。クリティカルパスに関しては標準化へ向けて解析をする必要がある。人工関節登録については更に体制構築を進める必要がある。

公開日・更新日

公開日
2008-04-11
更新日
-