肝硬変を含めたウイルス性肝疾患の治療の標準化に関する研究

文献情報

文献番号
200728025A
報告書区分
総括
研究課題名
肝硬変を含めたウイルス性肝疾患の治療の標準化に関する研究
課題番号
H19-肝炎-一般-012
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
熊田 博光(虎の門病院分院)
研究分担者(所属機関)
  • 岡上武(大阪府済生会吹田病院)
  • 坪内博仁(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科健康科学専攻人間環境学講座消化器疾患・生活習慣学)
  • 恩地森一(愛媛大学医学部第3内科)
  • 泉並木(武蔵野赤十字病院消化器科)
  • 田中榮司(信州大学医学部第2内科)
  • 茶山一彰(広島大学大学院分子病態制御内科学)
  • 竹原徹郎(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学)
  • 森脇久隆(岐阜大学大学院医学系研究科消化器病態学)
  • 向坂彰太郎(福岡大学医学部第3内科)
  • 鈴木文孝(虎の門病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
59,347,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成19年度から肝硬変の治療ガイドラインにより肝癌の発生を抑制し、慢性肝炎のガイドラインは最新版を呈示することで医療格差の是正、医療経済への効率的還元がなされることを目的とした。
研究方法
全国の班員・班友の施設における膨大なデータを肝炎ウイルスの変異等の測定も行い基礎及び臨床からデータ解析を行った。
結果と考察
ウイルス性肝硬変に対する包括的な治療のガイドラインとして、ウイルスの駆除・減少を目的としたC型肝硬変に対するガイドラインを作成した。1b・高ウイルス量以外の症例はIFNβ製剤とし、1b・高ウイルス量の症例にはウイルス排除を目指すこととした。肝機能維持の為には、従来の肝庇護剤に加え、分岐鎖アミノ酸製剤・瀉血療法をも含めた包括的な肝癌抑制の為のガイドラインとした。また、血清トランスアミナーゼ正常のC型慢性肝炎症例は特に高齢になってからの進行が早く、肝硬変、肝細胞癌の基となることが明らかになった。従って発癌抑制を目指した血清トランスアミナーゼ正常のC型肝炎への抗ウイルス治療のガイドラインを更に充実させた。B型慢性肝炎は、HBe抗原陽性でHBV-DNA量5 log copies/mL以上の症例や、HBe抗原陰性例で4 log copies/mL以上を治療対象として明記した。HBe抗原陽性例・HBV DNA量7 log copies/mL以上の症例には、核酸アナログ製剤とIFNの連続療法を追記した。一方、C型慢性肝炎に対する治療のガイドラインは、初回投与は、ペグインターフェロンとリバビリン併用療法の48週間を基本としたが、更に治療効果を高める為に72週投与の推奨基準を示した。IFN無効例への再投与は、ペグインターフェロンとリバビリン併用療法を主体とするがリバビリン併用療法の非適応例や無反応例においては、在宅自己注射の可能なIFNα製剤の長期投与とした。
結論
全国の膨大な臨床データはわが国の治療指針を示すためにも重要な解析であり
今年度からこの解析により作成した慢性肝炎から肝硬変まで一連のガイドラインは、将来的に我が国の発癌例が減少することが想定された。

公開日・更新日

公開日
2008-04-07
更新日
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研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-01-22
更新日
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