若年者等におけるHIV感染症の性感染予防に関する学際的研究

文献情報

文献番号
200727018A
報告書区分
総括
研究課題名
若年者等におけるHIV感染症の性感染予防に関する学際的研究
課題番号
H18-エイズ-一般-015
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
木原 雅子(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻国際保健学講座社会疫学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 藤原 良次(非営利組織りょうちゃんず)
  • 井上洋士(放送大学教養部)
  • サマン ザマニ(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻国際保健学講座社会疫学分野 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
31,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
社会疫学的手法に則り、社会文化背景に適した若者及びHIV感染者のための科学的予防介入モデルの開発・普及を行う。
研究方法
(1)若者の予防介入研究
1.日本人若者
 WYSHプロジェクトの社会分業戦略に基づき、学校での集団・個別教育プログラムと保健所での啓発プログラムを改善・開発し、文部科学省とも連携して研究を実施した。
①中高生プログラム:39都道府県の中学・高校計104校(1.7万人)を対象に、WYSH教育を実施した。事前調査後、教師研修を行い、介入3カ月後に、事後調査を行った。
② 小学生プログラム:小学生向けの新たな基礎性教育とエイズ教育プログラムを開発し、60人を対象に効果評価した。
③保健室プログラム:面接法や心理学的手法を応用した新たな個別予防プログラムを開発し、67校を対象に研修会を実施し効果評価した。また、予防情報提供と自己リスク評価を目的とした携帯・PCサイトを開発し、効果評価した。
④保健所プログラム:25都道府県75保健所を対象に、WYSHポスター・パンフ・Webサイト等の活用を基礎とした研修会を実施し効果評価した。
2.滞日外国人若者
 質問紙調査(812人)とグループ面接法等(20人)により、滞日ブラジル人若者の知識や行動、情報ニーズ・生活実態を分析し、予防啓発用Webサイトや予防教育教材の開発に資する情報収集を行った。
(2)HIV感染者の予防介入研究
HIV感染者の性行動変容支援のために、①医療従事者の意識変容を目指す介入法と②PCM法に基く介入法の改善、実施、評価を行った。
結果と考察
①実際の介入内容で学校を分類し比較した結果、中学生、高校生に対するWYSH教育は、知識、意識、行動の変容に大きな効果を有することが確認された。
②小学生プログラムでは自己肯定感の高まりを確認した。
③保健室での個別予防プログラムは養護教諭や生徒の支援に役立つことを確認した。
③保健室、保健所で紹介した携帯・PCサイトには高いアクセスが得られ、性感染症ニーズの高さや行動変容効果が示唆された。
④ブラジル人若者の生活、行動、情報ニーズが明らかとなり、Webサイトや予防教育教材開発に有用な情報を得た。
結論
予定通り研究を推進し、WYSHプロジェクトでは成長/行動段階に応じた予防教育の体系化をほぼ完成し、かつ保健室対策を開発した。また滞日外国人やHIV感染者の予防対策の開発などで前進した。

公開日・更新日

公開日
2008-06-04
更新日
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