文献情報
文献番号
200727007A
報告書区分
総括
研究課題名
周産期・小児・生殖医療におけるHIV感染対策に関する集学的研究
課題番号
H18-エイズ-一般-004
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
和田 裕一(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター産婦人科)
研究分担者(所属機関)
- 喜多 恒和(帝京大学医学部 産科婦人科学教室)
- 外川 正生(大阪市立総合医療センター小児医療センター小児救急科)
- 塚原 優己(国立成育医療センター周産期診療部産科)
- 名取 道也(国立成育医療センター 副院長)
- 大島 教子(獨協医科大学 産科婦人科学教室)
- 田中 憲一(新潟大学大学医学部 産科婦人科学教室)
- 五味淵 秀人(国立国際医療センター 産科)
- 牛島 廣治(鹿児島国際大学大学院福祉社会学科)
- 早川 智(日本大学医学部大学院病理病態学系微生物学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
61,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
若年婦人、妊婦におけるHIV感染の抑制と母子感染対策の構築、HIV感染女性及び出生児のQOL向上、ひいては国民の健康福祉、労働力維持、医療経済改善に貢献する。
研究方法
当班は研究目的により5班に大別され、以下に各班の研究方法を記す。
①周産期・小児医療班
妊婦HIVスクリーニングの実施率、感染妊婦・出生児の後方視的調査、及び産科・小児科統合ファイルの作成を行う。
②社会医学班
母乳からのHIV除去(特殊フィルター付き哺乳瓶とflash heating加熱処理)と経腟分娩を可能にする諸条件を設定する。
③生殖医療班
HIV陽性夫・陰性妻における精液中HIV除去とIVF-ET、HIV陰性夫・陽性妻におけるAIHの臨床応用を行う。
④基礎研究班
免疫・ウイルス学的手法によるHIV胎盤感染機構の解明、及びアジアにおけるsuper- infectionの実態調査を実施する。
5)広報・教育活動班
エイズ予防財団主催による研究成果発表会、HIV母子感染予防対策マニュアル、各種啓発書・ガイドライン、学会、論文、マスコミを通じた教育活動を実施する。
①周産期・小児医療班
妊婦HIVスクリーニングの実施率、感染妊婦・出生児の後方視的調査、及び産科・小児科統合ファイルの作成を行う。
②社会医学班
母乳からのHIV除去(特殊フィルター付き哺乳瓶とflash heating加熱処理)と経腟分娩を可能にする諸条件を設定する。
③生殖医療班
HIV陽性夫・陰性妻における精液中HIV除去とIVF-ET、HIV陰性夫・陽性妻におけるAIHの臨床応用を行う。
④基礎研究班
免疫・ウイルス学的手法によるHIV胎盤感染機構の解明、及びアジアにおけるsuper- infectionの実態調査を実施する。
5)広報・教育活動班
エイズ予防財団主催による研究成果発表会、HIV母子感染予防対策マニュアル、各種啓発書・ガイドライン、学会、論文、マスコミを通じた教育活動を実施する。
結果と考察
妊婦HIVスクリーニング実施率は97.2%まで上昇し、周産期・小児領域において把握されたHIV感染症例は519例に達した。その背景(分娩様式、ARTの有無と種類、感染妊婦の予後、児の発育状況・予後)も詳細に調査されており、わが国におけるHIV母子感染及びその対策に関するが集積がなされつつある。一方、母子感染無き経膣分娩実施条件の策定、母乳哺育の可能性も実現寸前まできており、近い将来日本独自の「取り扱い規約」を発信することも可能である。更に、感染妊婦・出生児のQOLの向上対策にも努力を傾注し、生殖医療では妻・児への感染無しに既に47名(昨年度に比し10名増加)の児が「IVF-ET combined with SSA」により誕生している。わが国における少子化の現状を鑑みてHIV感染者の「生殖医療」にも努力を傾注すべきであり、superinfectionの実態調査はその一環である。
わが国におけるHIV感染妊婦は微増とは言え、減少傾向には無く、可能な限り啓発教育と広報活動に努力した。
わが国におけるHIV感染妊婦は微増とは言え、減少傾向には無く、可能な限り啓発教育と広報活動に努力した。
結論
周産期・小児医療のHIV感染対策上、HIVスクリーニング、感染女性・出生児のQOL向上、教育活動の重要性を明ら
かにした。
かにした。
公開日・更新日
公開日
2008-06-04
更新日
-